
●文:月刊自家用車編集部
良い条件を引き出すには、格上のN-BOXとスペーシアを競わせるべし
現行ムーヴは、フルモデルチェンジで全高1700mm以下の軽自動車としては初となる待望のスライドドアを後席に採用し、利便性を大きく向上させて2025年6月にデビューした。直近の最新登録台数(2025年10月)でも1万537台を記録するなど、販売は絶好調。
10月はスペーシア、タント、N-BOXに続く軽自動車第4位にランクインするなど、フルモデルチェンジは大成功したといっていい状況だ。
デビューから好調な滑り出しだったこともあって、多くのオーダーを集めた結果、納期は長めだったが、ようやく改善しつつある。それに伴い、強気だった販売スタイルにも変化が出ており、値引き条件も緩くなってきた。これからムーヴを検討するならば、年末年始の初売りフェアを上手に活用することで、装備品オプション含めで15万円前後の値引きを狙っていきたい。
交渉の際には、スズキ・ワゴンRよりもスライドドア車のホンダ・N-BOXやスズキ・スペーシアの見積もりを取って、競合させることが有効。
ムーヴはハイトワゴン、N-BOXとスペーシアはスーパーハイトワゴンとジャンルは異なるが、ムーヴがスライドドアを採用したことで、ターゲット層がかなり近くなっているため、競合ライバルとして指名してもおかしくない。N-BOXやスペーシアサイドからするとムーヴへの反応はイマイチだろうが、ムーヴサイドからなら、しっかりと反応してくれる。
ムーヴの姉妹車となるスバル・ステラも含めた幅広いモデルを競わせて「買い得感のあるクルマを選ぶつもり」とやるのが、良い条件を引き出すコツだ。
車両本体目標値引き額:10万円
納期の目安:2~3か月
リセール予想:C+
オススメグレードは、NAエンジン+ベーシック装備のXの2WD
現行ムーヴは、走行性能と安全性を向上させたDNGAプラットフォームと、軽自動車で人気のスライドドアの採用がポイント。先代より基本性能が向上したことに加え、N-BOXやスペーシアなどのスーパーハイト軽ワゴンより価格がこなれていることも手伝って、予想上の受注を集めた経緯がある。
ある程度の距離を走るならば、動力性能に余裕があるターボ搭載のRS(189万7500円〜)が一番手になるが、少し高めの価格やスポーティな外観は、普通の軽自動車が欲しいユーザーにはオススメしにくい。
現行ムーヴではカスタム系が廃止。ターボ搭載のRSが従来のスポーティ志向に対応するグレードとなる。
64PSを発揮するターボエンジンの動力性能は52PSのNAエンジンよりも余裕がある。高速長距離が多いユーザーならばRSを選びたいが、価格は2WDでも189万7500円と、NAモデルと比べると割高感が否めない。
性能(燃費も含む)と価格のバランスを重視するなら、NAエンジンでACCなどの運転支援は非装着、ホイールもスチールとなるが、スタンダードなX(149万500円〜)が最適な選択肢となるだろう。
現行ムーヴは「所有する満足感」を重視した上質なデザインが特徴。NAモデルの中間グレードとなるXは、2WDなら149万500円。装備と価格のバランスが良好なことが魅力。街乗り中心ならば、これで十分というユーザーも多いだろう。
後席ドアのスライドドア化で、後席まわりの使い勝手は大きく向上。シートも左右分割スライド式でユーティリティ機能も十分。
どのグレードもナビ&オーディオはOP装着。純正でディスプレイオーディオが用意されている。社外品も含めて幅広い選択も可能なので、購入時にはその分の費用も見込んでおく必要がある。
| ●現行ムーヴ グレードバリエーション&価格【2025年7月モデル】 | ||
| パワートレーン | グレード | 価格(2WD/4WD) |
| 658cc直3DOHC 52ps/6.1kg-m | L | 135万8500円/148万5000円 |
| X | 149万500円/161万7000円 | |
| G | 171万6000円/184万2500円 | |
| 658cc直3DOHCターボ 64ps/10.2kg-m | RS | 189万7500円/202万8400円 |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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