[第5回]子どもが熱中症かなと思ったら? 車内・外出先でできる応急処置と119番の目安│月刊自家用車WEB - 厳選クルマ情報

[第5回]子どもが熱中症かなと思ったら? 車内・外出先でできる応急処置と119番の目安

[第5回]子どもが熱中症かなと思ったら? 車内・外出先でできる応急処置と119番の目安

夏のドライブやレジャーでは、どれだけ注意していても子どもが熱中症になる可能性をゼロにはできません。「顔色が悪い」「ぐったりしている」「いつもより元気がない」――そんな異変に気付いたとき、適切な応急処置ができるかどうかが、その後の症状を左右することがあります。
一方で、熱中症は胃腸炎などの感染症と症状が似ているため、「様子を見よう」と判断が遅れてしまうケースも少なくありません。

本記事は「子どもの車内熱中症」連載の最終回です。これまで車内温度の危険性や置き去り事故、閉じ込め事故、事故を防ぐための対策について紹介してきました。今回は、熱中症が疑われたときの応急処置と119番通報の目安を解説します。

●編集:月刊自家用車 ●原著:坂本昌彦医師『小児科医が教える子どもを事故から守る本』

まず確認したいのは「暑い環境にいたかどうか」

子どもの熱中症では、

  • 頭痛
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • ぐったりしている
  • 元気がない

などの症状が現れます。

しかし、こうした症状は感染症でも見られるため、症状だけで見分けることは簡単ではありません。

そこで、日本救急医学会などでも重視されているのが、「暑い環境にいたかどうか」という視点です。

車内や炎天下の駐車場、サービスエリア、公園など、暑い場所にいたあとに体調を崩した場合は、まず熱中症を疑い、できるだけ早く体を冷やすことが重要です。

車内や外出先でできる応急処置

熱中症が疑われたら、次の3つを落ち着いて行いましょう。

涼しい場所へ移動する

まずはエアコンの効いた車内や建物の中など、涼しい場所へ移動させます。衣服をゆるめ、風通しを良くするだけでも体温を下げやすくなります。

首・脇の下・足の付け根を冷やす

体を効率よく冷やすには、太い血管が通る

  • 脇の下
  • 太ももの付け根

を重点的に冷やします。保冷剤はタオルで包み、直接肌へ当てないようにしましょう。
保冷剤がない場合でも、水で濡らしたタオルで体を拭き、うちわなどで風を送ることで、気化熱による冷却効果が期待できます。

水分補給は「意識がある」ときだけ

意識がはっきりしている場合は、経口補水液などで水分と電解質を補給します。

一方、

  • 呼びかけへの反応が鈍い
  • 意識がぼんやりしている
  • 嘔吐している

といった場合は、無理に飲ませると誤嚥(ごえん)の危険があります。水分補給は行わず、すぐに医療機関や救急隊へつなぎましょう。

良かれと思ってやりがちなNG行動

熱中症では、間違った応急処置がかえって体に負担をかけることがあります。次のような対応は避けましょう。

  • 氷風呂などで急激に体を冷やす
  • 制汗スプレーを使用する
  • アルコール(エタノール)で体を拭く
  • 解熱剤を飲ませる

子どもは体温調節機能が未熟なため、安全な方法で少しずつ体温を下げていくことが大切です。

また、熱中症で体温が高くなっていても、市販の解熱剤では改善しません。風邪などの発熱は、体が自ら体温を上げている状態ですが、熱中症は暑さによって体温が異常に上昇した「高体温」の状態です。
そのため必要なのは薬ではなく、体を物理的に冷やすことです。熱中症が疑われる場合は、解熱剤に頼らず、まず冷却を優先してください。

迷ったら119番。救急車を呼ぶ目安

次のような症状が見られる場合は、ためらわず119番へ通報しましょう。

  • 呼びかけへの反応がおかしい
  • 意識がはっきりしない
  • けいれんしている
  • 水分を飲めない
  • 嘔吐を繰り返している

応急処置は、あくまで救急隊が到着するまでの「命をつなぐための対応」です。「少し様子を見よう」と判断が遅れるほど、重症化するリスクは高まります。

まとめ|知識があれば、いざというとき落ち着いて行動できる

子どもの熱中症は、短時間で重症化することがあります。だからこそ、車を利用する機会が増える夏は、

  • 暑い環境にいた後の体調変化を見逃さない
  • すぐに涼しい場所へ移動する
  • 首・脇の下・足の付け根を冷やす
  • 意識がある場合のみ水分補給を行う
  • 重い症状なら迷わず119番へ通報する

という基本を家族で共有しておくことが大切です。

この連載では、車内温度の危険性、置き去り事故、閉じ込め事故、予防策、そして応急処置まで、子どもの車内熱中症について紹介してきました。

夏のドライブやお出かけを安心して楽しむためにも、「もしも」に備えた知識を家族みんなで確認してみてください。

坂本昌彦 著『小児科医が教える「子どもを事故から守る本」』

熱中症を起こさないことが大切

子どもの不慮の事故による死亡は、少子化の影響もあり、減少傾向ではあるものの、今でも病気を含むすべての死因のなかで上位を占めています。そして、不慮の事故による死者の過半数は4歳以下と、低年齢であることもわかっています。
事故が起こる場所別でみると、もっとも多いのは家庭内で、全体の4割を占めています。事故といえば家の外で起こるものと思いがちですが、そうとは限らないのです。

本書は、総合病院で小児救急を担当している著者が、保護者にむけてわかりやすく、家庭内での不慮の事故を予防するための内容をまとめました。項目ごとに「なぜ危険なのか」「ケガをしたり、事故に遭ったときの対応の仕方」「ケガや事故を防ぐためのポイント」「解説」で構成しています。
とくに「解説」では、事例とともに子どもを不慮の事故から守るための具体的な方法や考え方をアドバイス。「うちの子に限って」ではなく「もしかしたらうちの子にも」と自分ごととして捉え、「まさか!」「こんなことをするなんて!」とならないように、日頃から意識できるようにしましょう。

※本記事は、小児科専門医による書籍『小児科医が教える子どもを事故から守る本』の内容をもとに、編集部が車利用時の視点から再構成しました。

※本記事は、小児科専門医による書籍『小児科医が教える子どもを事故から守る本』で紹介されている内容をもとに、編集部が車利用時の視点から再構成しました。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。