
レクサスは、グローバルコアモデルであるコンパクトクロスオーバーSUV「NX」の一部改良モデル(プロトタイプ)を世界初公開した。発売は2026年末以降、順次各地域で開始される。
●文:月刊自家用車編集部
新テーマ“DISCOVER YOUR EDGE”のもと、可能性を拡げるSUVへ進化
レクサスNXは、2014年の誕生以来、機敏に駆け抜ける走行性能とスタイリッシュなデザインで人気を博し、2026年7月末時点で累計約190万台を販売してきた、レクサスのコアモデルのひとつ。
今回の改良新型モデルでは、“DISCOVER YOUR EDGE”を開発テーマに掲げ、スポーティさとユーティリティの両立という歴代の強みを継承しながら、ドライバーの可能性を押し拡げる存在を目指して全面的な進化を遂げている。
キャビンからリヤエンドにかけての凝縮感あるフォルムが魅力。ホイールハウス内のフィンやリアの空力処理など、走りの質感を高める緻密なデザインが随所に施されている。
新世代ハイブリッドシステムと「e-Axle」で走りの熟成と高効率化を実現
改良新型では、走りの要となるハイブリッドシステムを新世代型に進化。トランスアクスル、モーター、PCU(パワーコントロールユニット)を一体化し、小型・軽量・低重心化を実現した「e-Axle」を採用している。
これら駆動系の効率改善に加えて、インバーターのパワー素子には電気損失が少ないSiC(シリコンカーバイド)を採用することで、従来モデル比で燃費性能も大幅に向上させた。
新開発された「e-Axle」。小型・軽量・低重心化を実現した新世代電動ユニットを採用することで、システム全体の高効率化も図られている。
新世代ハイブリッドシステムを効率的に配置したシャシー構造。低重心なコンポーネント配置とボディ剛性の強化により、操縦安定性を向上させ、「すっきりと奥深い」走りを実現している。
PHEVの電池容量30%UPで、EV航続距離は140km超に
PHEVモデル(NX450h+)は、新開発のリチウムイオンバッテリーを搭載することで、電池出力8%向上、電池容量は30%向上を達成。これにより、EV航続距離は日本のWLTCモード(開発中の暫定値)で140km以上へと大幅に延長することで、日常の移動はガソリンを一切使わずに電気だけでカバーすることが可能となっている。またDC急速充電に対応したことで、充電時間の大幅な短縮も図られている。
2.5L直4エンジンに床下平置きの新開発バッテリー、リヤモーター(AWD)を組み合わせたPHEVシステム。電池容量30%向上により、140km以上(日本WLTC)のEV航続距離を実現する
電池出力8%、電池容量30%向上を果たしたPHEV用の新開発リチウムイオンバッテリー。140km以上(日本WLTC)のEV航続距離延長に貢献し、日常から遠出までガソリンを抑えた快適な電動走行を可能とした。
2.5L直4エンジンに一体化された小型・軽量「e-Axle」を組み合わせる新世代ハイブリッドシステム。SiCパワー素子の採用で駆動効率を高め、力強い動力性能と優れた燃費性能を両立
フロア剛性を25%向上。 TTC-Sやニュルで鍛え上げた走行性能も見どころ
レクサス独自の走りの味「Lexus Driving Signature」をより高い次元に引き上げるため、車体の体幹となる骨格から徹底的に見直されたことも改良新型のトピックスのひとつ。
さらに開発時には、最新のトヨタの開発拠点「Toyota Technical Center Shimoyama(TTC-S)」や、独ニュルブルクリンクで走り込むことで、「ドライバーがクルマと対話できる走り」を追求している。
主な改良ポイントについて
ボディ&剛性の強化
フロントおよびリヤエンドの補強に加え、フロアクロスの追加やトンネル部の補強により、フロア剛性を約25%向上。サスペンションまわりもタワー部の構成部品を一体化させたことで、約30%の剛性向上を実現。これにより、ロードノイズの低減とリニアなハンドリング特性を獲得している。
静粛性・NVH制御(エンジン周り)
エンジンブロック部の剛性向上と、トランスアクスルとエンジン部の締結剛性強化により、エンジンの爆発変動の周波数との共振をずらすことで、不快な音振を低減。進化型ECUを採用したことで、始動時振動も抑制している。
極微低速バルブ付ショックダンパー
AVS非装着車には、微小な動きに即応する極微低速バルブ付ショックアブソーバーを新採用。うねりを抑えるフラットな姿勢を維持することで、街中から超高速域まで上質な乗り味とハンドリング性能を両立させている。
ステアリング&操作系
ステアリングを360mmに小径化したほか、ステアリングの切れ角によってギア比がよりクイックに変化する「バリアブルラックギア」を採用。パワステ制御のチューニングも相まって、取り回しの良さと自然で軽快な操舵フィードバックを手に入れている。
アクセル&ペダル構造
アクセルペダルユニットの改良により、ペダルストロークの摩擦低減を実施。踏力に対してペダルがリニアにストロークする構造へ改めることで、より軽やかで緻密な車速コントロールを実現した。
ハイブリッド加速制御
加速時のバッテリー活用量を増やすことで、エンジンの無駄な吹き上がりを抑制。車速の上昇とエンジン回転数を同期させることで、より自然に感じるリニアな加速フィーリングを実現している。
E-Four(電気式AWD)
後輪モーター制御を変更し、直進時も含む常時AWD走行化を達成。常に接地感の高い安定したハンドリングとしたことで、雪道など滑りやすい路面での安定性を向上させている。
新ブレーキ制御
旋回中に微小な制動力を付与する制御を投入。車線変更時などの急なヨーやロール挙動を素早く収束させることで、車両姿勢の安定とドライバーの運転しやすさを向上させている。
ドライビングポジション
ビッグデータを基にシート角度とステアリング位置を最適化。前後の調整量を拡大したほか、ペダルやステアリングホイールの刷新も相まって、多様な場面で意のままに操れる操作性を実現した。
空力性能
サイドダクトの剛性アップにより操縦安定性を高めたほか、ホイールハウス内に追加したフィンにより空力を補正。走行時の車体後部の浮き上がりを抑制し、タイヤの接地感と直進安定性も強化されている。
フロア剛性約25%アップやサスタワー剛性約30%アップを実現したボディ骨格補強。ラジエターサポートやトンネルリヤ部の補強により、体幹から鍛え上げられた操縦安定性と乗り心地を提供する。
AVS非装着車に新採用された「極微低速バルブ付ショックアブソーバー」。サスペンションの微小な動きにも高応答で減衰力を発生させ、路面の微細なうねりを抑えたフラットで上質な乗り味を実現した。
サイドグリルダクトの剛性強化やホイールハウス内フィンの新設により空気の流れを最適化。走行時の車体後部の浮き上がりを抑制し、接地感と高速域での直進安定性を大幅に高めている。
ロアやダッシュパネル、キャビン全体(青色部)に緻密に配置された吸音材。エンジン音やロードノイズを大幅に遮断し、会話や音楽を快適に楽しめるラグジュアリーSUVに相応しい高い静粛性も獲得している。
内外装のデザインも、より熟成を進めた新スタイルへ
改良新型では、これまで継承されてきたデザインテーマ「VITAL TECH」をさらに昇華。エクステリアには、より躍動感を加えたほか、インテリアは広々とした開放感と落ち着き感を強めている。
エクステリア
ヘッドランプとコーナリングランプなどの機能をグリルとシームレスに融合した顔つきに進化。
ヘッドランプ部は、ターンシグナルとデイタイムランニングライト(DRL)を統合した「ダブルライン」形状としたことで、精悍な目元を演出。
リヤにもレクサス初となる「ダブルLシグネチャー」のリヤコンビネーションランプを採用することで、ワイド&ローなスタンスを強めている。
また、モール類やアウターミラーをクロームメッキから黒基調へ刷新したことで、塊感のあるスポーティさを強めた。
ボディカラーは、自然との調和を感じさせるアッシュトーンの新色「SONIC TELLUS(ソニックテラス)」や、F SPORT専用色「TITANIUM CARBIDE GRAY(チタニウムカーバイドグレー)」を含む全9色をラインナップ。
「F SPORT」では、専用のアンダースポイラーやピアノブラック塗装のルーフモール、軽量・高剛性な20インチアルミホイール、レッド塗装のブレーキキャリパーなどを備えることで、高性能スポーツの魅力も高められている。
ターンシグナルとデイタイムランニングライト(DRL)を統合したダブルラインデザインのヘッドランプ。機能部品をグリルとシームレスに融合させることで、精悍な目元と高い視視認性を両立
レクサス初となる「ダブルLシグネチャー」を採用したリヤコンビネーションランプ。両端でL字が二重に光る繊細な意匠と発光ロゴにより、先進的なリヤビューを楽しませてくれる。
走りのポテンシャルを惹き立てるF SPORTのエクステリア。フロントのアンダースポイラーなどの専用空力パーツを備えることで、引き締まったシルエットと力強いスタンスをアピールする。
インテリア
インテリアは、どの席に座っても視界が広く開放感と落ち着きを感じられるデザインパッケージへ進化。
コックピットは、12.3インチ液晶メーターと14インチのマルチメディアディスプレイを水平に配置することで視線移動を最小限に抑えたほか、新デザインのステアリングや透過表皮によるヒドゥンスイッチの採用より、機能向上に加え先進感もアピールする。
さらにイルミネーション、音楽、空調、シート温度、そして新たに設定されたフレグランスを連動する、五感で感じる新機能「Sensory Concierge(センサリーコンシェルジュ)」を採用。ドライバー/パッセンジャーの気分に合わせて「INSPIRE(高揚)」「RADIANCE(集中)」「REVITALIZE(リラックス)」の3つのモードで車内空間を楽しむことを可能とした。
火星の砂丘からインスピレーションを得た新内装色「アバロス」。大地の力強さと落ち着きを感じさせる深みのあるカラーリングで、上質で寛ぎに満ちたラグジュアリーな室内を仕立て上げている。
F SPORT専用の新内装色「プロミネンス」を採用したコックピット。情熱的なレッドとブラックのコントラストがスポーティ感を高め、ドライバーの走る高揚感を惹き立てる演出となっている。
12.3インチのフル液晶メーター。中央に大型タコメーターとデジタル速度計を大きく配置したスポーティな画面構成で、走りの状況や車両情報をダイレクトかつ直感的に把握できる。
手に自然と馴染むコンパクトなトグル式シフトノブを中心に配置。周囲にはパーキングブレーキやEVモード切替スイッチを整理してレイアウトし、先進性と洗練された操作感を両立している。
透過表皮を採用した「レスポンシブヒドゥンスイッチ」。点灯時にはアイコンが浮き上がり、静電タッチで直感的な操作が可能。使用しない時はシームレスに隠れ、インテリアの美しさを際立たせる。
「Lexus Safety System +」も大幅にアップデート。予防安全機能を強化
最新の「Lexus Safety System +」を採用することで、より広く、より遠くまで対象物を認識できるように進化。これにより対応可能な事故シーンが拡大されている。
レーンチェンジアシスト(LCA)
作動車速を拡大し起動操作や車線変更の速さを見直し。ドライバーの操作と協調したハンドル支援により、よりスムーズで安心感のある車線変更を可能とした。
プリクラッシュセーフティ(PCS)
交差点での出会い頭の場面において、警報およびブレーキの作動車速域を大幅に拡大。これまで以上に広い速度域で衝突回避や被害軽減に貢献できる。
ドライバーモニター
カメラによるモニタリング対象シーンを拡大。運転中の眠気の兆候を早期に検知してドライバーへ注意喚起を行い、安全なドライブをサポート。
ドライバー異常時対応システム
異常検知時の支援機能を強化。高速道路や自動車専用道を走行中に本システムが作動した際、自車を路肩へ自動で寄せて安全に停車する機能を新たに追加した。
アダプティブハイビーム(AHS)
状況に応じたより細やかなハイビーム制御を行うことで、夜間走行時の対向車・歩行者への配慮と優れた前方視認性を両立。夜間の安心感が高められた。
ブラインドスポットモニター(BSM)
従来の車両検知機能に加え、側方を走行する自転車やバイクの検知にも対応。死角からの接近に対して的確に注意喚起を行い、巻き込み事故防止を支援する。
パノラミックビューモニター
3Dビューや画面スワイプによる視点変更に対応。車両をシースルー(透過)状態で確認できるようにし、周囲の死角を大幅に減らして安全確認をサポートする。
トーイング時の安全性能も強化
牽引時の支援機能を拡張し、レーントレーシングアシストや異常時対応システムを作動可能とした。BSMの検知範囲もトレーラー周辺まで広げて安心感も向上させている。
PHEVモデルとHEVモデルを設定
ラインナップは、システム出力215-240kW、0-100km/h加速6.0秒を誇るPHEVの「450h+」(2.5L直4・AWD)を筆頭に、システム出力140-180kWを発揮するハイブリッド(HEV)モデル「350h」(2.5L直4・AWD/FF)、そしてシステム出力145kW・0-100km/h加速9.2秒の「300h」(2.0L直4・FF)で構成される。
ボディサイズは全長4690mm(※従来型比+30mm)×全幅1865mm×全高1660mm、ホイールベース2690mm。タイヤサイズは18インチまたは20インチが装着される。
| 【NX 新型モデル 主要諸元】 (プロトタイプ値) | ||||
| グレード | 450h+ | 350h | 300h | |
| エンジン排気量 | 2.5L | 2.5L | 2.5L | 2.0L |
| 駆動方式 | AWD | AWD | FF | FF |
| 全長(mm) | 4690 (従来型+30) | |||
| 全幅(mm) | 1865 (±0) | |||
| 全高(mm) | 1660 (±0) | |||
| ホイールベース(mm) | 2690 (±0) | |||
| 車両重量(kg) | 2050-2130 | 1790-1870 | 1730-1810 | 1690-1750 |
| タイヤサイズ | 235/60R18 235/50R20 | |||
| エンジン | 2.5L 直列 4 気筒 | 2.0L 直列 4 気筒 | ||
| トランスアクスル | 電気式無段変速機 | |||
| エンジン出力(kW) | 100-135 | 110 | ||
| システム出力(kW) | 215-240 | 140-180 | 145 | |
| 加速[s] (0-100km/h) | 6.0 | 7.1-7.8 | 9.2 | |
| EV 航続距離 | 140km[日本] | - | - | - |
乗員の気分に合わせて車内をパーソナライズするイルミネーション。足元やコンソールまで優しく照らし出す光の演出により、自宅のリビングルームにいるかのような深い心地よさと寛ぎを提供してくれる。
インパネ奥のスピーカーグリル部から広がる新開発のフレグランス機能。グローブボックス内に3種のカートリッジを同時搭載でき、専用画面から好みの香りを選択して移動時間を特別なリラックス空間へと変える。
「Sensory Concierge」の音楽演出を支えるプレミアム音響システム。光やエアコン、フレグランスと協調して車内を演出することで、乗員の移動時間を極上のリラックスタイムへと変えさせる。
光と影が織りなす力強いボディライン。フロントからルーフへ流れる滑らかな曲面も印象的。
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