
●文:月刊自家用車編集部
オシャレで走りも最高、かつ日本の環境でも使いやすい
旅の途中でも、我が家のようにくつろぎたい。そんな想いを持つユーザーを中心に注目を集めているのが、フィアット・デュカトをベースに架装されたキャンピングカーだ。
これまで日本のキャンピングカー市場といえば、トヨタ・ハイエースをベースにしたモデルが絶対王者として君臨してきた。ただ、その勢力図が変わりつつある。背景にあるのは、これまで潤沢に供給されていたハイエースの深刻な品薄と、ユーザーの求めるクオリティの変化だ。
単なる「車中泊」の手段だったキャンピングカーに、今や多くの人が、自宅と変わらない「快適性」と書斎のような「プライベート空間」を求め始めている。そこにタイミングよく合致したのが、フィアット・デュカトの日本への正規導入だ。
正規輸入から数年たった今では、デュカトの圧倒的に広いキャビンや、高速走行主体の欧州で揉まれた走りの基本性能の高さは、より高い満足度を求めるこだわり派の受け皿として機能している。そこにキャンピングカーならではの豪華な加飾と実用機能が注がれるとならば、注目を集めるのは当たり前だろう。
ここで紹介するキャンピングカーも、そんなデュカトをベースとした一台で、イタリアのビルダー「ローラーチーム(ROLLER TEAM)」が、デュカトをベースに製造した「リビングストーンK2」というモデルになる。
ローラーチームは、1970年代からキャンピングカーの製造を行っているビルダー。彼の地では、走りを含めた性能がしっかりしていて、さらにキャビンのデザインセンスも良質と評価されており、さらに欧州輸入キャンパーの中では、比較的手が届きやすい価格帯に抑えられていることが特徴だ。
このリビングストーンK2も価格は1115万円からと、他社を含めたデュカトベースのモデルの中では、コスパの良さを感じられる設定になっている。
内装は、家具から小物にいたるまで洗練されたイタリアンデザインで統一。
リビングやキッチン、ベッドなどの各エリアを効率よく配置し、こだわりの素材と確かな技術を用いることで、居心地の良い快適な空間を楽しませてくれる。
フィアット・デュカトをベースにイタリアのローラーチームが製造した「リビングストーンK2」。スタイリッシュな外観と洗練されたイタリアンデザインの内装が特徴で、高い走行性能と快適な居住空間も高く評価されている。
車内を丸ごと「気品あるワンルーム」に大改造
キャビンへ一歩足を踏み入れると、まず淡いトーンで統一された気品あるインテリアが印象的。高く取られた天井に加え、運転席と助手席を180度後方に反転させることで、限られたキャビンスペースを無駄なくダイネット(食堂)空間へと変貌させる自由度の高いレイアウトは、スペースに余裕あるデュカトならではの強みの部分になっている。
パッケージや機能面も本格的で、中央のキッチンスペースには、ガラスカバー付きのダブルコンロと、シンクスペースがおさまり、エントランス横には85LのDC冷蔵庫も設置される。スライドドアを開けた車外からも直接食材やドリンクを取り出せる設計とするなど、キャンプ場などでのアウトドアシーンにおける使い勝手も非常によく考えられている。
車両後部には、ウレタンマットレスが心地よく身体を支えてくれる大人2名が余裕で就寝できる広大なベッドを設置。カセットトイレと温水シャワーを備える扉付きのマルチルームも別室として使えるなど、旅の疲れを確実に癒やしてくれる本格的な造りも特徴だ。
ボディシェル部は断熱構造を採用。さらに燃料式FFヒーターも備えることで、冬の寒い夜でも快適に過ごせる性能を確保しているとのこと。旅先でのリラックスタイプを左右する、キャンピングカーとしての基礎能力の高さも疑いない。
消費電力の少ないLEDライトや間接照明を各部に配置することで、温かみあるキャビン空間を実現。
ボディは日本の夏の暑さに強い設計ということも強み。ポリウレタンフォームによる壁の断熱、サンドイッチパネルの床、ポリエステルファイバー断熱の屋根といった、高性能な断熱設計が施されている。
キッチンスペースにはコンロやシンクが備え付けられていて、料理なども行うことが可能。
冷蔵庫も効率的に配置。旅先での快適性を高める工夫が随所に盛り込まれている。
後部には扉付きのマルチルームも設置。取材車両にはシャワーやカセットトイレが備え付けられていた。
国産1BOXミニバンとしては大きいハイエース級のモデルでも、いかにして家具を詰め込むかというアプローチになりがち。それに対してこのモデルはデュカトの恩恵をフルに活かすことで、走りが安定していて、見た目もおしゃれ、さらに室内のゆとりと開放感は圧倒的、という欧州キャンパーモデルらしい魅力を味わうことができる。
全幅2mを超えるサイズ感や、1000万円の大台を超えてくる価格設定(展示車両は1195万1900円)、装備が欧州仕様ゆえに一部装備が別途OPになるなど、国内ビルダーのキャンパーに比べると購入のハードルは1ランク上がってしまうが、自分の理想をとことん追求したい向きにとっては面白い一台になりそうだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(キャンピングカー)
RVパーク 銀の湯 静かな田園風景に包まれながらゆったりとした時間が過ごせて、鹿児島観光の拠点として便利なRVパーク 鹿児島市の自然豊かなリゾート施設「VILLA FUMOTO」に併設され[…]
RVパーク たそがれテラスの森と風 豊かな森と自然に囲まれ、五感をめいっぱい開いて過ごせるRVパーク 「RVパーク たそがれテラスの森と風」は、豊かな森と自然に囲まれ、五感をめいっぱい開いて過ごせる「[…]
RVパーク 近江舞子トーンズ(OMI-MAIKO TONES) 琵琶湖・内湖・比良山が織りなす雄大な絶景を楽しめるRVパーク 琵琶湖八景に数えられる景勝地・近江舞子にある「RVパーク 近江舞子トーンズ[…]
横浜キャンピングカーショーで披露された、キアの新型EV「PV5」がベースの「Alva P47UD」。BEV専用骨格による段差のない超低床フラットフロアと、71.2kWhの大容量バッテリーを活かし、サブ[…]
RVパーク 大江戸温泉物語 山中彩朝楽 車中泊を安心して、かつ快適に楽しみたい方におすすめのRVパーク 日本RV協会が推進する「RVパーク」は、キャンピングカーやマイカーで旅行を楽しむユーザーに向けた[…]
最新の関連記事(ニュース)
本格クロカン性能に「乗用車並みの快適性」と「最高級の上質さ」をプラス 今回登場した新型パジェロは、歴代モデルが長年にわたって培ってきた「優れた悪路走破性」と「高い信頼耐久性」という本格四輪駆動車として[…]
そもそも「シニアカー」って何? 免許返納後の移動手段として注目 高齢者の移動手段として知られる「シニアカー」。これは一般に、ハンドルで操作する座席付きの電動車いす型モビリティを指す言葉だ。 スズキにも[…]
税込119万9000円! 1人乗り小型EV「T-mini」とは? T-miniは、電気で走る1人乗りの小型モビリティ。車両価格は本体価格109万円、税込119万9000円だ。屋根やドアに加え、エアコン[…]
一番人気はクラシックMINIを思わせる「インスパイアード・ホワイト」 昨年の「ジャパンモビリティショー2025」で世界初公開され話題を集めた同モデルは、電気自動車(BEV)だけでなく、高効率ガソリンエ[…]
1位「200円で150km」「3人乗り」バイクのような見た目でクルマ級の個室感! 電動トライク「URBAN TRIKER」を販売するビークルファンが名古屋に新拠点オープン この記事で分かること ドア付[…]
人気記事ランキング(全体)
トヨタ車で見かける小さな突起。実は走行性能に関わるパーツだった! 街中を走るトヨタ車をよく観察すると、ドアミラーの付け根やテールランプの側面などに、小さな突起が設けられていることがある。デザイン上のア[…]
使っていないUSB端子が、愛車をドレスアップする場所に変わる!? 愛車のインテリアにちょっとした変化を加えたい。そう思っても、内装パーツの交換や本格的なイルミネーションの設置となれば、費用も手間もかか[…]
雨の日に意外と困る「ドアミラーの水滴」 雨天時の運転では、フロントガラスならワイパーで視界を確保できる。サイドウインドウも、走行中であれば風によってある程度水滴が流れ、どうしても見えにくければ窓を一度[…]
57年前とは思えない美しいデザイン。セダンとは異なる設計を採用した高級クーペ 1967年5月、マツダは世界初の量産2ローターロータリーエンジン車「コスモスポーツ」を発売し、自動車業界にその技術力を知ら[…]
納車後でも遅くない!歴代ランクルの遺伝子を宿す「丸目」へのフェイスチェンジ 「角目デザインも良いけれど、ランクルらしいクラシカルな丸目スタイルにも惹かれる」そんなオーナーの悩みに応えるカスタマイズが登[…]
最新の投稿記事(全体)
置くだけでミリ単位のシンデレラフィット! 工具不要で約5秒装着 本アイテム最大の魅力は、車種専用設計ならではの圧倒的な一体感だ。N-BOXの前方中央フロア形状をミリ単位で緻密に測定して開発されているた[…]
角形ヘッドライトや左右非対称のマスクなど、初代パンダへのオマージュが詰まった新型グランデ・パンダ。1.2Lターボと48Vマイルドハイブリッドの組み合わせは、ステアリングのレスポンスも良く、アクセルを踏[…]
本格オフローダーのルックスと保護性能を両立する専用設計 ジープの象徴的モデルであるラングラーは、その比類なき悪路走破性と唯一無二のスタイルで世界中のSUVファンを魅了しつづけている。 今回のコラボレー[…]
専用トリコロールデコレーションがフランス車らしいオシャレさを演出 C3 HYBRIDとしては初となる今回の限定車は、「見ればわかる。ちょっと違う、フランス流。」をテーマに開発。洗練されたBセグメントの[…]
電動化時代にもブレない「アルピーヌらしさ」を凝縮 電動化の波が押し寄せるなか、アルピーヌが提示した答えは、スペック数値の競争ではなく「操る歓びそのもの」だった。 A290は、モーター駆動特有の鋭いレス[…]
- 1
- 2



























