
●文:月刊自家用車編集部
クラウンスポーツ 概要:フォーマルからカジュアルまで、シーンを選ばずプレミアムを体感できる新世代のスポーツSUV
クラウンスポーツは、俊敏でスポーティーな走りが楽しめる、新しいカタチのスポーツSUV。16代目クラウンとしてはシリーズ2番目の登場となる。
エモーショナルで創造的な雰囲気を持ちながらも、乗り降りや運転のしやすいパッケージを採用しているなど、趣味性が高いクルマでも実用性もしっかり配慮している。
先に登場したクロスオーバーと同様に、Dピラーからリヤタイヤにかけて大きく張り出したオーバーフェンダーデザインが特徴のひとつ。このフェンダーの張り出し具合が、ダイナミックで低重心な印象を高めている。進化させたハンマーヘッドフェイスは、レンズ幅を薄くしたデイランプを黒色部内に集約し、よりシャープで精悍な表情を実現。ワイドに構える表情もスポーティさを演出している。
足まわりは、フロントにマクファーソンストラット式、リヤには新開発マルチリンク式のサスペンションを採用するが、後輪操舵のDRS(ダイナミックリアステアリング)を車両に合わせ最適にチューニング。低速域では軽快感を、高速域ではさらに安定感をバランスさせ、意のままに車両を操る楽しさが感じられる味付けとなっている。
パワーユニットは、2.5Lシリーズパラレルハイブリッドシステムを採用するほか、新開発の大容量リチウムイオン電池を搭載した2.5Lプラグインハイブリッドシステムもラインナップされる。
安全装備は、クロスオーバー同様に機能向上した最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」と高度運転支援技術「トヨタ チームメイト」が全車標準装備されている。
クラウンスポーツ:スタイリング&パッケージ
ハイブリッド SPORT Z (2023年10月モデル) ●全長×全幅×全高(mm):4720×1880×1565 ●ホイールベース(mm):2770 ●車両重量(kg):1810 ●乗車定員:5名 ●パワーユニット:2487cc直4DOHC(186ps/22.5kg・m)+モーター(フロント:88kW/202Nm、リヤ:40kW/121Nm) ●トランスミッション:電気式CVT ●WLTCモード総合燃費:21.3km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)マルチリンク式(R) ●タイヤ:235/45R21
ハイブリッド SPORT RS (2023年12月モデル) ●全長×全幅×全高(mm):4720×1880×1570 ●ホイールベース(mm):2770 ●車両重量(kg):2030 ●乗車定員:5名 ●パワーユニット:2487cc直4DOHC(177ps/22.3kg・m)+モーター(フロント:134kW/270Nm、リヤ:40kW/121Nm) ●トランスミッション:電気式CVT ●WLTCモード総合燃費:21.3km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)マルチリンク式(R) ●タイヤ:235/45R21
クラウンスポーツは、クラウンシリーズの中で、文字通りスポーツを強く意識したモデル。外観もリヤドアからフェンダー付近にボリュームを持たせ、後方から見た時の踏ん張り感を強めている。クロスオーバーに比べると全長は短いが、全幅は40mmほど広い。サイズ的にはハリアーに近いが、全幅はクラウンスポーツの方が25mmほどワイドになる。
クラウンスポーツ:インパネ内装&シート
インパネまわりのデザインはクロスオーバーと基本的に同じだが、ATレバーが収まるセンターコンソール付近は光沢のあるパネルが使うことで質感を高めている。本革シートの色彩は、ブラックに加えて洗練されたサンドブラウンも用意される。前席のシート形状は、背中から大腿部をしっかりと支えてくれてホールド性も優秀。全長とホイールベースは、クラウンクロスオーバーよりも短いが、後席の広さも十分に確保されている。
クラウンスポーツ:パワートレーン
クラウンらしからぬ気軽さを感じる走りが印象的。全幅は1.9mに迫るグローバルサイズながら操舵感の良いハンドリングも手伝って、見た目の印象よりも軽快にふるまってくれる。プライベートを楽しむために生まれた“新しいクラウン”というコンセプトには、とても良く似合っている。
2.5Lハイブリッド車は全開加速させても加速感は穏やか。エンジン音の高まりや初期加速の俊敏さを第一にしておらず、自然にパワーフィールが盛り上がってくれる特性。一方、2.5Lプラグインハイブリッド車は、パワフルな印象が強まり上級モデルらしい余裕の幅が強まってくる。
両モデルともDRS(後輪操舵機構)の効果もあって、高速コーナリングでは際立った安定性、タイトターンでは自然なハンドリング感覚を兼ね揃えるなど、ハイテク満載の最新モデルらしい質の高い走りを披露してくれる。
クラウンスポーツ:モデル変遷
【2023年10月:初期型】クラウンスポーツ発売
最初に導入されたのは、2.5Lシリーズパラレル式を採用するハイブリッド車。駆動方式は4WD(AWD)のみ。当時の月販目標台数は700台(ハイブリッド車のみ)とされていた。
【2023年12月:最新型】プラグインハイブリッド搭載の「RS SPORT」を追加
プラグインハイブリッドの「RS SPORT」を追加。ハイブリッドシステムは、ハイブリッドの「Z SPORT」と同じシリーズパラレル式を採用するが、フロントモーター出力を高めることでシステム最高出力を306psまで引き上げられている。さらにボディ骨格部もフロアトンネル部へのブレースを追加することで、最適な剛性バランスを追求。シャーシ性能の向上が図られている。満充電状態でのEV走行距離は90km。ハイブリッド燃費は20.3km/Lになる。価格は765万円。RS SPORTの月販基準台数 は300台とされていた。
●クラウンスポーツ 価格&バリエーション【2024年12月モデル】 | ||
パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | 価格【4WD】 |
2487cc直4DOHC 186ps/22.5kg-m + 前後モーター 88kW/202Nm【フロント】 40kW/121Nm【リヤ】 | ハイブリッド SPORT Z【電気式CVT】 | 590万円 |
2487cc直4DOHC 177ps/22.3kg-m + 前後モーター 134kW/270Nm【フロント】 40kW/121Nm【リヤ】 | プラグインハイブリッド SPORT RS【電気式CVT】 | 765万円 |
クラウン スポーツ:最新値引き額/納期情報(2024年10月現在)
- 車両本体目標値引き額:12万円
- 納期の目安:3〜5か月
- リセール予想:B
現在発売しているクラウンの中では、もっとも値引きの上乗せが厳しい状況。それは販売店サイドに「クラウンの中では趣味性が高いモデルなので、値引きをしなくても最終的に買ってもらえる」という意識が強いためだ。そのため、商談時のセールスマンは強気一辺倒で、「クラウンスポーツしか考えていない」という姿勢だと、「値引きはゼロが基本」とレクサスみたいなことをいうセールスマンも…。攻略のコツは「クラウンスポーツ」同士を競わせる同士競合。都市部のユーザーならば、越境も含め資本系列が異なるトヨタディーラーに赴いて、条件の良い方で購入したいと述べるのが効果的。価格が高額なモデルゆえに、車両本体と付属品の合計値引きで20万円は狙いたい。
最新の関連記事(クラウンスポーツ)
実車が特別展示に加えて、試乗体験も実施 『Life with CROWNs.』は、新世代クラウン4モデルが一同に集まり、その魅力を体感できるイベント。 会場には、すでに発売済みの3台のクラウン(クロス[…]
5番目と6番目のクラウン専門店 「THE CROWN」は、2023年10月から展開が始まったクラウンのみを扱うトヨタの専門店。 これまでは横浜都筑、千葉中央、愛知高辻、福岡天神の4つのエリアに拠点を構[…]
月平均登録台数3000台を誇る、新世代クラウンの代表モデル 2023年秋にデビューしたクラウンスポーツ。登場から1年を経過したいまでも月平均の登録台数は3000台前後をキープしているなど、堅調な人気を[…]
クラウン専門店「THE CROWN」のみで購入できる特別仕様車 今回導入される「クラウン スポーツ RS“THE LIMITED-MATTE METAL”」は、トヨタが全国展開しているクラウン専門店「[…]
「スポーツ」と名前がついてるけど実態はSUV クラウン史上初の2BOXモデルとして登場したクラウンスポーツ。車名には「スポーツ」と名前が付くが、スポーツ性に振ったモデルではなく、多様な使い方ができるS[…]
最新の関連記事(新車カタログ(国産車) | トヨタ)
アルファード:モデル概要 4代目となるアルファードは「性能を世界基準に昇華させる」を開発テーマに定め、プラットフォームを刷新、単なるミニバンから“高級サルーン”を意識したクルマになっており、振動や騒音[…]
RAV4 モデル概要:プレミアムキャラの強化でイメージ一新、トヨタ自慢のミドルSUV 現行型は5代目となるモデルで、国内向けのモデルとしては2005年に登場した3代目以来の復活になる。その開発コンセプ[…]
カローラ:モデル概要〈TNGA技術が注がれた新世代のベーシックセダン〉 カローラは、1966年に誕生して以来、世界150以上の国と地域で、販売累計台数が4750万台を超えるロングセラーモデル。12代目[…]
MIRAI:モデル概要|環境車から、クルマの本質で勝負できる 上質なセダンに進化 水素を燃料とするFCV(燃料電池自動車)は、ゼロエミッションでありながら短い燃料充填時間で長い航続距離を可能とす[…]
プリウス:モデル概要 プリウスは、1997年に世界初の量産型ハイブリッドカーとして誕生。以来、圧倒的な燃費性能を備えた新世代のエコカーとして、ハイブリッドの普及を牽引してきたモデルだ。 2023年に登[…]
人気記事ランキング(全体)
ベース車両は日産のNV200バネット 日産「NV200バネット」は、2009年に登場した小型商用バン。全長4400mm、全幅1695mmという取り回しのしやすいサイズ感で、都市部でも扱いやすいことが大[…]
ラグジュアリーと機能性を融合した“移動する部屋” 「escort」は全長5380mm、全幅1920mm、全高2390mmと、堂々たるボディサイズを誇るハイエースキャンパー。乗車定員は4名、就寝定員も4[…]
ベース車両はダイハツのハイゼットカーゴ ハイゼットカーゴキャンパーの魅力は、軽自動車ならではの取り回しの良さと維持費の安さにある。コンパクトな車体は狭い路地や駐車場でも扱いやすく、女性ドライバーやシニ[…]
ソニーの最新技術を採用、夜間も強いニューモデル コムテックは、様々なタイプのドライブレコーダーをリリースしており、ハイエンドから普及機、ユニークなモデルなど、多様なユーザーの要望に対応する。また、ドラ[…]
大人3人+子ども3人が就寝可能な“住める空間” 最大の魅力は、その就寝スペースだ。ベッド展開をフルに活用すれば、大人3名と子ども3名が同時に就寝できる。チャイルドベッドは120×160cm、メインベッ[…]
最新の投稿記事(全体)
燃料でもマルチパスウェイ戦略を! トヨタがS耐富士24時間レースでで“液体水素”と“低炭素ガソリン”のダブル挑戦する根底にあるのは、「モビリティの未来は1つの道ではない」というトヨタのマルチパスウェイ[…]
スーパー耐久出場を目指すドライバーのための耐久レース入門カテゴリーの創出 S耐チャレンジは2025年1月の東京オートサロン2025のなかで行われたSTMOの公開理事会のなかで構想が発表された。その構想[…]
生産規模を約3300台に増やすことで、供給不足の早期解消を図る スズキの新型ジムニーノマドは、1月30日の発表からわずか4日間で約5万台もの受注を獲得。これは月間計画販売台数1200台の約41か月分に[…]
草木の緑がどんどん濃くなって、躍動感にあふれるこの時期。春から夏に向かうちょうどいい気候だからこそ、クルマ&ドライブ好きの方におすすめしたいのが峠道を通るドライブ。 峠道と聞くとどうしてもガンガン攻め[…]
現代技術と伝統が融合 ─ ハイブリッドで蘇るヘリテージ ポルシェ911スピリット70のベースとなるのは、高効率なパフォーマンスハイブリッドを搭載した現行の911カレラGTSカブリオレ。新開発の3.6リ[…]
- 1
- 2