梅雨に起こりがち? 注意しないと交通違反となる「泥はね運転」を徹底解説
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
梅雨の雨量の多い時期は、河川の氾濫による洪水/冠水など、交通にも大きな影響を及ぼしますが、とくに注目すべき問題が泥はね運転です。
身近な問題としてよく聞く泥はね運転はどのような運転なのでしょうか。説明から罰則、そしてその予防法までを見ていきましょう。
雨天時の走行…水はどのくらい飛ぶもの?
泥はね運転は、文字通りクルマが走行中に水や泥を大量にはね上げる運転のことをさします。
この問題はとくに雨が降った後の道路で頻発し、たとえば水深1cmの水たまりを時速40kmで走行すると、水しぶきは歩行者(身長約150cm)の肩の高さまで上がり、車両側方へは約2mまで水が飛び散ることが確認されています。(実験検証「JAFユーザーテスト」より)
これにより通行人の衣類が濡れるだけでなく、視界が遮られるなど、歩行者の安全が脅かされる事態が起こります。
クルマからしてみれば水たまりが原因で水が跳ねてしまった程度ですが、通行人からしてみれば大きな問題です。
他の実験では、時速10km/hまで減速することで水をはねさせずに通過することができることが確認されていますが、実際これくらいの速度で走行するのは難しいと言えるでしょう。
泥はね運転の内容や罰則内容を確認!
泥はね運転は、道路交通法第71条の1「ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること」に違反する行為です。
違反が適用されると、大型車は7,000円、普通自動車には6,000円、小型特殊自動車には5,000円の反則金が科せられます。
なお、泥はね運転は通常、違反が直接警察官に確認された場合/目撃証言/監視カメラの映像などにより確認された場合に罰則が適用されます。
そのため、違反が直接確認されなければ反則金が科せられるケースは少ないといえるでしょう。しかし、他の運転者/歩行者からの通報/監視カメラの映像などによって、後日違反が適用される可能性もあります。
たとえば、違反が目撃されてその情報が警察に報告され、車のナンバー/運転者の特徴/日時/場所といった具体的な証拠がある場合は、後日警察から連絡がある場合があります。
つまりドライブレコーダーの映像のように、被害者が十分な証拠を持っていれば訴えることも可能なのです。
検挙される可能性が低いと高を括らず、安全運転を心がけましょう。
なお、泥はね運転を避けるためには、歩行者から適切な距離を保つとともに、適切に速度を調整することがポイントです。
歩行者が近くにいる場合や道路に水たまりがある場合は、速度を落とすことで水しぶきを最小限に抑えることが可能です。
また、運転者は、自身の安全だけでなく、他の道路利用者の安全も保証するためにも他者への影響を考え、予防策を講じることが求められます。
過去には泥はね運転だけでなく、「安全運転義務違反」や「歩行者側方安全間隔不保持等違反」が適用されたケースもあるようです。
安全を心掛けた運転は、運転者自身が法律を遵守し罰則を避けるためにも重要でしょう。
このように、梅雨の季節は天候による交通状況の変化に対応するための特別な注意を必要とします。泥はね運転を避けることで、自分自身だけでなく他の道路利用者の安全も守ることができます。
これからの梅雨の時期はもちろん、車に乗るすべての時間は交通法規を遵守し安全運転を心がけましょう。
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