そういえば知ってる?「歩行者横断禁止」の場所で横断したらどんな罰則になるのか

●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
令和2年中の歩行者と自動車による衝突事故のうち、歩行者が横断中の交通死亡事故発生件数は651件にも上り、死亡事故のうち23.4%を占めています。
これらの事故には横断歩道以外を横断中の事故も含まれ、その発生件数は非常に多いことから問題視もされています。
事故を減少させるためにも、道路には横断歩道のほか”歩行者横断禁止”の標識がある場所が存在しますが、もしも歩行者横断禁止を無視して横断した場合、何か罰則が適用されるのでしょうか。
「歩行者横断禁止」の役割とは?
歩行者横断禁止の標識が設置される背後には、事故統計/危険因子がしばしば存在します。
設置場所としては、主にクルマと歩行者の事故が多発している交差点/複数の車線がある道路/通行量が多い道路/視界が悪くクルマが急に現れるカーブなどが挙げられます。
この標識がある場所での歩行者の横断は法律で禁止されており、違反した場合、罰金が科される可能性があります。
道路交通法第13条では、”横断の禁止の場所”が定められており、警察官などの警告を無視してここを横断した場合には2万円以下の罰金または科料が科せられます。
「歩行者横断禁止」の標識が設置されている場所で道路を横断すると、罰則が適用される。
なお、事故が起こりやすい危険因子があることから標識が設置されることもありますが、特に事故件数が多い道路に後から設置される場合もあるようです。
横断禁止の罰則では、一般的には罰金が科されることが多いですが、事故を起こした場合、その責任の度合いによっては刑事罰も考えられるため注意が必要です。
一方で、この標識がない場所/歩道橋/地下道がある場所では、歩行者は横断が許されています。
ただし、標識がないからといって必ずしも安全ではないため、道路の安全を確認して横断することが大切です。
事故に遭わないためにも!正しい横断方法とは
歩行者とクルマの交通事故では、必ずしもクルマ側に責任があるわけではなく、歩行者の不注意が原因となっている事故も多数存在します。
道路交通法第12条には、「横断歩道を渡る際はその両端を確認し、クルマが近くにいないことを確かめてから渡ること」が定められています。
道路を横断する際には”右・左・右”という確認を怠らず、必ず安全を確かめてから渡るようにしましょう。
見通しのよい道路であっても、渡る前に”右・左・右”の確認をすることが大切だ。
またクルマのドライバーは、横断歩道を渡る歩行者に対しては、速やかに停止することが義務付けられています。
仮に横断歩道を横断しようしている歩行者を無視してしまった場合は、信号の有無に関わらず”横断歩行者妨害”に該当します。
横断歩行者妨害が適用されると、普通車で9000円の反則金に加えて違反点数2点が加点されてしまいます。
どちらか一方ではなく、双方が安全確認をおこないルールを守ることで、歩行者とドライバー双方の安全が確保されると言えるでしょう。
ここで重要なのは、歩行者とドライバーが協力して事故を防ぐという点です。
歩行者は横断歩道を渡る際には十分な注意を払い、ドライバーは歩行者が横断している間は適切な速度で走行し、必要に応じて停止します。
また、夜間/悪天候時には視認性が低下するため、互いに余分な注意が必要です。
今までの事故事例を見ても、お互いの認識不足や注意不足が原因で起きている場合が多いため、ルールを守ることの重要性を再認識することは大切と言えるでしょう。
“歩行者横断禁止”の標識は、歩行者とドライバー双方の安全を守るために存在します。
歩行者とドライバー双方の安全のためにも正しい横断方法を守り、安全な交通環境を作ることが大切です。
また、交通安全に対する一般的な認識を高めて安全な交通文化を築くことも重要です。
一人一人がルールを守り安全運転を心がけることで、より安全な交通環境が実現できるでしょう。
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