
4月から東京地区で先行発売されていた、トヨタの3列シートSUV「ハイランダー」が、8月から全国展開されることになった。大柄なボディサイズや英語表記の機能装備など、国内モデルとは勝手が異なる部分も大きい1台だが、そのことを考慮しても購入を検討したくなる独自の魅力があるのは間違いなさそうだ。
●文:月刊自家用車編集部
米生産の本格3列ハイブリッドSUVが全国展開へ
かつて日本国内でクルーガーの名で親しまれていたハイランダーは、米国市場では2001年の初代発売以来、累計360万台以上の販売実績を持つベストセラーモデル。
すでに米国・トランプ大統領が関わる日米交渉を踏まえた新制度を活用し、4月2日よりトヨタモビリティ東京を通じて40台限定で先行発売されていたが、8月1日からは全国のトヨタ車両販売店へと取扱店舗を拡大し、本格的な全国展開がスタートする。
国内向けのハイランダーは、全長4950mm、全幅1930mm、全高1730mmで、ホイールベースは2850mm。乗車定員7名の3列シート仕様の「Limited ZR Hybrid」が導入される。米国生産のニュージーランド仕様が輸入されるので、他の米国輸入モデルとは異なり、右ハンドル車が販売される。
グレードは「Limited ZR Hybrid」のみで、価格は860万円。
全長4950mmと、GA-Kプラットフォームを採用するモデルの中では最大級の大きさとなる。
最高出力184kWを発揮する2.5Lハイブリッドを搭載
パワートレーンは、高効率な2.5L直列4気筒エンジンに強力な電動モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載し、駆動方式は電気式4輪駆動システム「E-Four」を採用。システム最高出力は184kWを発揮する。
走行支援機能として、エコ、ノーマル、スポーツから選択できるドライブモードセレクトやEVドライブモードのほか 、凹凸路でのタイヤの空転を抑制して悪路走破性を高める「TRAILモード」を備えるなど、アウトドアユースも意識した設定を持つ。
高効率な2.5L直列4気筒エンジンと強力なモーターを組み合わせたハイブリッドシステムにより、最高出力184kWの力強い動力性能を確保。4輪駆動システム「E-Four」との組み合わせで、雨天や雪道などの多様な路面状況下で安定した走りが期待できる。
235/55R20サイズの大径タイヤとワイドトレッドによる安定感のある佇まいがエクステリアの第一印象だ。
フロントフェイスにはブラックとメッキを組み合わせた大型グリルとシャープなプロジェクター式LEDヘッドランプを配することで、都会からアウトドアまで映える力強いスタイルを楽しめることも強みのひとつ。
キャビン空間は、ボディサイズの大きさを活かした開放的なレイアウト。シートにはパーフォレーションとステッチが施された上質な合成皮革が用いられるほか、運転席10ウェイ、助手席8ウェイのパワーシートやフロントシートベンチレーション、シートヒーターなど、上級モデルらしい装備が奢られる。
広めにとられたウインドウエリアや直線的なダッシュデザインにより、視認性は優秀。シート表皮は合成皮革(パーフォレーション・ステッチ付)。運転席10ウェイ、助手席8ウェイのパワーシートが組み合わされる。
装備システムは、英語表示の割り切り仕様
装備機能面では、マイコン制御チルト&スライド電動パノラマルーフやカラーヘッドアップディスプレイ 、11スピーカーで構成されるJBLプレミアムサウンドシステム 、12.3インチHDディスプレイオーディオが標準装備。米国の上級SUVがそのまま直輸入される格好だ。
ただ、ニュージーランド仕様のシステムデータをベースとしているため、画面の表示言語はすべて英語となり日本語表示はできないほか、国内での車載ナビ操作やナビ連携機能は作動せず、標識を認識するロードサインアシストも作動しない場合があるという。
ディスプレイオーディオは、12.3インチHDディスプレイ仕様が標準装着されるが、英語表記で内蔵ナビ機能も動作不可になるなど、輸入車ならではの不便さを持つ。ただ、Apple CarPlayや有線でのAndroid Auto接続時には日本語表示やスマートフォンのナビアプリが利用可能。
パノラマルーフやJBLプレミアムサウンドシステム、カラーヘッドアップディスプレイなどが標準装着される。
日米交渉の新制度で実現した、新たな輸入ビジネスモデルの先駆者になれるか?
国内では使いづらさがあるのも事実だが、北米市場で圧倒的な支持を得てきたタフなSUVが日本の環境にも適したハイブリッドを搭載して登場するのは興味深い。
巨躯ゆえの取り回しや、ナビ機能が制限された英語仕様という割り切りは必要となるものの、国産車には少ない「3列シート×本格四駆×ハイブリッド」という組み合わせを求めるユーザーが少なからずいるのは間違いない。
本誌としては、大容量の積載力と高い悪路走破性を求めるアウトドア派や、多人数乗車が必要なアンチミニバン派にとって、高い個性と性能を持つハイランダーが深く刺さる可能性は十分にありそう、と見ている。
そしてなにより、トヨタディーラーがしっかりと面倒をみてくれる「正規輸入車」ということは、これまでに日本国内に輸入されてきた並行輸入車とは一線を画すアドバンテージ。これはレアな海外希少モデルで新しいビジネスに繋げられるのか?という面でも大きなチャレンジだと思う。
米国が認めた実力派グローバルモデルが、日本市場でも確固たる存在感を示すことを大いに期待したい。
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