
BYDジャパンは、日本の軽自動車規格に準拠した完全専用設計の新型軽EV「BYD RACCO(ラッコ)」を正式発売した。価格は214万5000円〜249万7000円。
●文:月刊自家用車編集部
「軽EV専用設計」に加え、堅牢なボディ構造と生産技術を注入
「日本の街並みにジャストサイズな電動モビリティ」として開発されたラッコは、スーパートールワゴン&両側電動スライドドアという王道のパッケージに、EV専業ならではの最新テクノロジーを凝縮。国内の軽EV市場に新たな一石を投じる注目作になる。
ラインナップは、街乗りメインのお手頃な「RACCO 200」から、大容量バッテリーと充実装備を備えた「RACCO 300」シリーズまでの計3グレード展開。満充電で210km~320kmの走行が可能となる。全車右ハンドル仕様で、ボディカラーは全6色が用意された。
エントリーの「200」は航続距離210kmで街乗りに最適。「300Plus」は320kmへ伸長し充実装備の主力を担う。最上級「300Premium」は合皮シートやハンズフリースライドドア等を備えた豪華仕様という位置づけになる。
インパネデザインは、「オーシャンエステティック(海洋美学)」の思想と、人の温もりや安心感を大切にする「人文暖居」のコンセプトを融合させた設計。
普通充電は最大6kW、急速充電(CHAdeMO)は最大49kWに対応。冬季などの低温下で低下しやすい充電能力を補う「バッテリー予熱機能」も搭載される。
最大10年/20万kmをカバーする充実の保証も選択可能
また、新車保証として一般的な車両保証(6年/15万km)に加え、EVの心臓部である駆動用バッテリーおよび高電圧部品に対して8年/16万kmという手厚い基本保証を設定。また、有償の延長保証プランを追加することで、バッテリー容量保証(初期容量70%以上)を最長「10年/20万km」まで拡張することを可能としている。
| グレード | 価格 | CEV補助金 | 航続距離(WLTC) | バッテリー容量 | 主な特徴 |
| RACCO 200 | 214万5000円 | 15万円 | 210 km | 22.40 kWh | 街乗りに最適、日常使いに十分な充実の基本装備 |
| RACCO 300Plus | 239万8000円 | 320 km | 35.84 kWh | 長距離も安心の大容量バッテリー、先進安全機能拡充 | |
| RACCO 300Premium | 249万7000円 | 320 km | 35.84 kWh | 上質な合成皮革シート、ハンズフリースライドドア等の上級仕様 |
軽規格へ最適化された「e-Platform 3.0」と高強度ボディ
車体設計における最大の特徴は、グローバルモデルの単なる縮小版ではなく、日本独自の「軽自動車規格」と路面環境へ完全に特化させた専用設計を採用していることが挙げられる。
具体的には、日本の厳しい安全基準「J-NCAP」で最高評価の獲得を目指して開発が進められており、基礎骨格から日本市場向けに最適化された設計を注入。
車体ベースにはBYDのEV専用プラットフォーム「e-Platform 3.0」を採用しつつ、自社製のリン酸鉄リチウムイオン「ブレードバッテリー」を車体構造の一部として組み込む「CTB(Cell to Body)」技術を統合することで、車体骨格全体のねじり剛性を向上。
さらに、車体の主要な骨格部分に引張強度の高い高強度鋼板(ハイテン鋼)を約70%という破格の割合で投入することで、過度な重量増加を抑えつつ衝突時の客室変形を劇的に防ぐ強度を確保した。
ルーフとサイドパネルの接合部には、金属面を継ぎ目なく連続して接合する高度なレーザー溶接技術を導入したことで、車体の開口部が大きく剛性を保ちにくい両側スライドドア仕様でありながら強固な一体構造を実現。走行時の車体のゆがみや微振動を抑制することで、クラス最高水準の車内静粛性を生み出している。
モータースペックは最高出力47kW、最大トルク160Nmを発揮。発進時からスムーズに立ち上がる力強い加速と、ガソリン車にはない圧倒的な静粛性を持つ。
強靭バッテリーと熱マネジメントで、航続距離の減衰を大幅に減少
この堅牢な骨格を支えるのが、新開発された統合電動ユニット「X-PACK」では、従来は車内の各所に分散配置されていた「駆動用バッテリー」「車載充電器(DC/OBC)」「各種ECU」「エアコン用コントローラー」といった主要パーツを、高密度に集中させて単一のバッテリーパック構造内へ集約することで、車両前方のモータールーム内を省スペース化。これにより、前方衝突時に衝撃エネルギーを効率よく吸収するクラッシャブルゾーンが大きく確保されている。
バッテリーパックに収められる自社製「ブレードバッテリー」は、最も過酷とされる釘刺し試験や多セル短絡試験でも発火爆発を起こさない安全性を保持することに加え、1000ジュール級の外部衝撃を受けてもバッテリー内部温度を40℃以下に制御する構造と、車両全体の統合型熱マネジメントシステムが組み合わされることで、外気温が著しく下がる冬季でも航続距離の減衰を大幅に抑え込む特性をもつ。
シャシー制御面においては、「インテリジェント・トルク制御アーキテクチャ」を新たに採用。低重心設計の車体構造に日本独自の道路環境に合わせたサスチューニングを掛け合わせることで、コーナリング時の不要なロール(横揺れ)や傾きを極限まで抑制。これにより、日本の狭小路や駐車場で求められる軽快で俊敏な取り回し性能と、背の高いスーパートールワゴン特有の不安感を打ち消す高速走行時の走行安定性を両立させている。
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