「20年以上前に登場していた“遊びを極める”クルマ」 そんな自由気ままで、タフなSUV【ホンダ・エレメント】ってどんなクルマ⁉︎│月刊自家用車WEB - 厳選クルマ情報

「20年以上前に登場していた“遊びを極める”クルマ」 そんな自由気ままで、タフなSUV【ホンダ・エレメント】ってどんなクルマ⁉︎

「20年以上前に登場していた“遊びを極める”クルマ」 そんな自由気ままで、タフなSUV【ホンダ・エレメント】ってどんなクルマ⁉︎

ライフガード・ステーションをモチーフにした四角いボディに、傷を気にせずタフに使える無塗装樹脂パーツを大胆に配置。さらに、広大な開口部を生むピラーレス観音開きドアや、上下分割式のテールゲート、水や泥汚れに強い防水インテリアなど、遊び心と実用性を高次元で融合させた、あらゆるアクティビティで使い倒せるタフなSUVだった。

●文:月刊自家用車編集部

エレメント最大の特長が、両側観音開きのサイドアクセスドア。すべてのドアとゲートをフルオープンすると、遠くまで見通せる圧倒的な開放感が得られた。

「ライフガード・ステーション」というコンセプトで、タフで機能的な「動く箱」を目指したクルマ

ホンダ・エレメントは、アメリカの若者を中心としたアクティブなライフスタイル層に向けて開発され、2002年に北米で、翌年の2003年に日本国内でも販売が開始されたクロスオーバーSUVだ。

開発から生産まですべてをアメリカのホンダ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・アメリカズとオハイオ州の工場が主導しており、まさにアメリカ生まれのホンダ車と言える。

このクルマのコンセプトは、「ライフガード・ステーション」であり、海や山でアクティブに活動する若者が、サーフボードやマウンテンバイクなどの遊び道具を無造作に放り込んで出かけられる、タフで機能的な「動く箱」を目指して設計されたアクティビティビークルだったのだ。

通常はFF状態で走行し、状況に応じて後輪にも適切な駆動力を配分。雪道などで高い走破性を発揮し、突然の路面変化にも対応するリアルタイム4WDを採用した。

圧倒的な開放感のセンターピラーレスの観音開きドアを採用

独創的なエクステリアデザインは、四角い箱のようなスクエアなボディに、あえて無塗装の樹脂製クラッディングパネルをフェンダーやバンパー周りに大胆に配置することで、傷や汚れを気にせず使えるギア感を強調している。

そして、エレメントを語る上で欠かせないのが「センターピラーレスの観音開きドア(サイドアクセスドア)」だ。前後のドアを両方開けると、側面には巨大な開口部が出現します。安全性を確保するためにリアドアの内部に頑丈なピラーが組み込まれているが、この大開口のおかげで、かさばるアウトドア用品の出し入れや、泥だらけのままの着替えなどが驚くほどスムーズに行えるように設計されている。

全体的にスクエアなシルエットで、室内空間の広さを外観からも連想させる無駄のない合理的なデザインとなっている。

ボクシーなボディの四隅を強調するように配置された、シンプルな縦型のテールランプユニットを採用。

前後のバンパーからフェンダー、さらにはルーフラインにかけて、無塗装の樹脂素材がぐるりと囲むように覆われており、飛び石やちょっとした小枝の擦れなどを気にせずガンガン走れるSUVらしさを強調している。

汚れたままの道具を気にせず積める、ワイパブルフロア&ルーフライニング

インテリアも徹底して実用性を追求。フロア全体に防水性と防汚性に優れが採用されており、泥のついた汚れた靴で乗り込んだり、濡れた機材から水が垂れたりしても、サッと水拭きするだけで簡単に掃除ができるのだ。もちろん、シートにも撥水加工が施されており、マリンスポーツやウィンタースポーツの相棒として一切の妥協がない室内となっている。さらに、後席は左右に跳ね上げて格納したり、シートをフルフラットにすれば車中泊のベッドにも早変わりする。

走行性能に関しては、北米仕様の2代目CR-Vのプラットフォームをベースにしながら、専用のチューニングが施されている。

パワーユニットは、2.4L直列4気筒のi-VTECエンジン(K24A型)を搭載し、低中速域からの力強いトルクを発揮する。また、駆動方式は路面状況に応じて後輪にも適切な駆動力を配分するリアルタイム4WDを採用しており、高速道路でのロングクルージングから、キャンプ場へと向かう未舗装路まで、シーンを選ばず安定した走りを実現する。また、四角いボディ形状と高めのアイポイントのおかげで運転席からの視界が非常に広く、大柄なボディサイズでありながらも車両感覚が掴みやすいという隠れた長所を持っている。

水平ラインを基調としたインパネデザイン。3つのメーターをそれぞれ独立させ、コーンシェイプの3次元レンズで構成されていた。

シートは、サーフィンやスノーボードなどのアクティビティを想定し、濡れた水着や雪のついたウェアのまま座ることを考慮した防水・撥水加工素材が採用されている。

リア席のヒップポイントはフロントより130mm高く設定。抜群のパノラマが広がる景色を堪能できた。

ミニバンブームの真っ只中、ニッチ過ぎたSUVは日本人には受け入れられなかった

しかし、日本市場では、全幅が1.8メートルを超える堂々としたサイズ感は、当時の日本の狭い道路事情ではやや持て余し気味とされ、2.4リッターという排気量も自動車税の観点から敬遠される要因となっていた。また、最大の魅力である観音開きドアも、日本の狭い駐車場では「フロントドアを開けないとリアドアが開けられない」という構造が不便だと受け取られていた。

当時の日本では多人数乗車ができるミニバンが全盛期であったため、ニッチなSUVは理解されづらく、結果として日本国内では2003年の発売からわずか2年半ほどで販売終了という短命に終わってしまったのだ。

DOHC i-VTECは「VTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)」と「VTC(連続可変バルブタイミング・コントロール機構)」を融合した知能化ユニットであった。

全席を倒せばフルフラットとなる。また、カーゴルームは、リアシートを両サイドに跳ね上げれば、前輪を外すことなく2台のマウンテンバイクを収納できるほどの広さを生み出してくれる。

サイドアクセスドア、クラムシェル・テールゲートと、多彩なアクセスポイントがあるのも大きな魅力。センターピラーレス構造で高剛性を実現するために、部材の大断面化と各ジョイントの大型化を図っていた。

フロントドアに設けられた収納力の高いドアポケットが設定されている。

上下を開けた状態で、高さ1,025mm、幅1,110mmの広い開口を確保。ロアゲートは、フロアと一直線につながり、荷物の出し入れがラクに行えた。

腕時計をモチーフにデザインし、レンズ面を3次元で構成した斬新なカタチのメーター。またメーターの文字盤はインテリアカラーに合わせて3色が用意されていた。

ヘッドライトは、フラッシュサーフェス化を狙わず、レンズ面をボディ面からくぼませて装着。傷つきにくいタフなイメージを演出した。

主要諸元:ホンダ エレメント(2003年)

全長×全幅×全高4,300×1,815×1,790(㎜)
トレッド 前/後1,575/1,580(㎜)
最低地上高175(㎜)
車両重量1,560kg
乗車定員5名
エンジン型式ホンダ オブ アメリカK24A
エンジン種類水冷直列4気筒DOHC
総排気量2,354(cc)
使用燃料・タンク容量無鉛レギュラーガソリン・60L
最高出力160ps/5,500rpm
最大トルク22.2kg-m/4,500rpm
燃料消費率10.6km/L (10・15モード走行)
最小回転半径5.2m
サスペンション 前/後ストラット/ダブルウイッシュボーン
ブレーキ 前/後Vディスク/ドラム
タイヤ215/70R16

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