
ソロキャンプや「ひとり旅」が人気を博す現代、究極の個人空間を提供するキャンピングカーが注目されている。それがRINEIの「コンパクト バカンチェス-N ひとり旅」だ。日常使いも可能な日産NV200をベースとし、ユニークな「ひとり専用レイアウト」を採用した本モデルを徹底解説。その唯一無二の設計思想、オーナーにもたらされる価値までを分析し、この一台がなぜ選ばれるのか、その理由を明らかにする。
●文/写真:月刊自家用車編集部
コンセプトとベース車両の選択
「コンパクト バカンチェス-N ひとり旅」の根幹をなす思想は、”ひとりのための最高の空間”を、日常使いも可能なコンパクトな車体で実現することにある。このコンセプトを具現化するためのベース車両として選ばれたのが、日産の「NV200バネット」だ。
NV200バネットは商用車としての高い耐久性と信頼性を持ちながら、乗用車に近い洗練されたデザインと運転感覚を併せ持ち、最大の利点はその車体サイズが5ナンバー枠に収まるコンパクトさにある。都市部の狭い路地やコインパーキングでの取り回しを容易にし、運転への心理的な負担を大幅に軽減。
つまり、週末や休暇には非日常へ旅立つキャンピングカーとして、平日には買い物や通勤の足として使う「日常使い」も可能だ。この”二刀流”を実現できる点が、NV200バネットをベースとしたこのモデルの第一の価値だろう。
日産NV200バネットをベースに、ソロ仕様に割り切ったバンコンがリンエイの「コンパクト バカンチェス-N ひとり旅」だ。多くのキャンピングカーがファミリーやデュオを念頭に置いているのに対し、文字通りひとり旅にこだわった仕様になっている。
最大の特徴である「ひとり専用」レイアウト
このモデルを唯一無二の存在たらしめているのが、その画期的な室内レイアウトだ。一般的なコンパクトキャンピングカーでは限られた空間を有効活用するため、テーブルを挟んで向かい合って座る対座式ダイネットを採用することが多い。
しかし「コンパクト バカンチェス-N ひとり旅」は、この常識を大胆に覆し対座式ダイネットが存在せず、代わりに運転手席側の後方に壁に沿って長いベンチソファがひとつだけ設置される。この潔い決断が、他のどのモデルにもない圧倒的な開放感と機能的な動線を生み出している。
複数人での使用を前提としたレイアウトを排除することで室内空間は分断されることなく、車両後端まで一体の空間として広がる。これにより、実際のサイズ以上の広さを体感できるのだ。このモデルの本質はあくまでも「ひとりで過ごす時間」の質の最大化にあることが理解できよう。
対座式ダイネットではなく、ひとりがけのソファーにしているのが「ひとり旅」のポイント。あくまでも車名のようにひとり旅に特化したレイアウトが潔い。標準装備のサブバッテリーに鉛式を採用しているのも、信頼性とコストを重視した帰結である。
就寝空間としての快適性
旅先での快適な睡眠は、旅の質を左右する最も重要な要素のひとつ。「コンパクト バカンチェス-N ひとり旅」のベッド展開は、そのシンプルさと快適性において特筆に値する。
ベッドメイキングは極めて簡単だ。ソファーの背もたれ部分のマットを取り外し、ソファ座面と床面の間にぴったりと収めるだけで完了する。複雑な操作は一切不要で、誰でも数十秒でフラットな就寝スペースを作り出せる。
完成したベッドのサイズは長さ1900mm、兄弟車のMOMOなら最大幅は1090mmに達する。これは家庭用のシングルベッドに匹敵し、大柄な男性でも手足を伸ばしてゆったりと眠ることが可能だ。法定上は大人2名が就寝できるスペースだが、これをひとりで使うことこそ、このモデルが提供する最高の贅沢と言えるだろう。
さらに、就寝時でも運転席・助手席側や足元には空間が残るため、着替えや荷物の整理、あるいはポータブルトイレを置くといった使い方もでき、実用性への配慮も万全だ。
ソファーの背もたれ部分を外して横に並べるように設置すればベッドが完成する。ふたりでの就寝も可能だが、ひとりとペット用と割り切ったほうが使い勝手は広がる。ひとり用としては充分以上の広さがある贅沢な空間を満喫できるのも「ひとり旅」の醍醐味だ。
自立した旅を支える充実の標準装備
「コンパクト バカンチェスN ひとり旅」の魅力は、レイアウトだけに留まらない。旅先で外部のインフラに頼ることなく、快適に自立した生活を送るための装備が、標準で充実している点も大きな特徴である。
室内後方にはコンパクトながら使い勝手の良いギャレーが備わり、ステンレス製のシンクはもちろんのこと、特筆すべきは電子レンジが標準装備であること。これにより、火を使わずに安全かつ手軽に温かい食事を用意できる。さらに、上から出し入れするタイプの上開き式40L冷凍冷蔵庫も標準装備で、食材の長時間保存も可能だ。
これらの電化製品を、電源のない場所で自由に使うことを可能にしているのが、本モデルの心臓部ともいえる強力な電装システムだ。家庭用のAC100V電源を車内で使えるようにするインバーターは、2000Wという高出力のものを標準搭載。ドライヤーや電気ケトルといった消費電力の大きな家電製品の使用も可能としている。これは旅の快適性を劇的に向上させる重要な要素だ。
さらにエンジンを停止した状態で電化製品を使うためのサブバッテリーを搭載。走行中に自動で充電される走行充電システムを備える。信頼性とコストを重視した鉛式を搭載するのはリンエイのこだわりだ。屋根には100Wのソーラーパネルも標準で設置されており、駐車中も太陽光でサブバッテリーを充電し続け、長期間にわたって電源の自給自足能力を高めている。
この強力な電源システムがあるからこそ、道の駅やオートキャンプ場の電源サイトに依存しない、真に自由な「ひとり旅」が実現するのである。
その他にも、DVDプレーヤーを内蔵した大型液晶テレビや、夜間でも室内を明るく照らすLED照明、プライバシーを確保する遮光カーテン、車体全体に施された断熱処理など、ひとりで過ごす時間を快適にするための装備が標準で数多く搭載される。冬の旅の必需品であるFFヒーターもオプションで選択可能だ。
電子レンジと冷凍冷蔵庫の搭載はキャンピングカーにとって必需品とリンエイは考え、「コンパクト バカンチェス-N ひとり旅」も標準装備。オプションで用意する車載クーラーについては「標高500m以上の場所に移動すれば必須ではなくなる」とリンエイでは説明する。
キャビネットにビルトインされたシンクは必要最低限だが使い勝手は良好だという。ルーフには100Wのソーラーパネルを設置し、走行中でもサブバッテリーに電力を供給し続ける。8ナンバー登録なので車検も2年ごとでOK。
「ひとり旅」が提供する価値
この一台がオーナーにもたらす価値は、単なる移動と宿泊の手段にとどまらない。第一に「絶対的な自由」である。思い立ったその時に、日常を抜け出して好きな場所へ向かい、誰にも気兼ねすることなく自分だけの時間を過ごすことができる。
第二に「多用途性」だ。旅の道具であると同時に、集中して仕事や趣味に没頭できる「移動書斎」や「走る秘密基地」にもなり得る。ワーケーション利用もアリだ。万が一の災害時にはプライバシーが守られた避難シェルターとしての役割も果たすことだろう。
第三に「コストパフォーマンス」。これだけ充実した装備が標準で搭載されていることを考慮すれば、その価格は非常に競争力があると言える。
折りたたみテーブルや大型モニターなど、車内でくつろぐ際に重宝する装備を満載。釣りなどのホビーや各シーズンのスポーツアクティビティのお供として、またはワーケーションや万一のシェルターとして、多用途に応えてくれる。コンパクトボディで乗り降りも乗用車並みなので、女性からの人気も高いそうだ。
ソロ活動を気兼ねなく過ごすための強力な相棒
RINEIの「コンパクト バカンチェス-N ひとり旅」は、現代人の「個」のニーズに真正面から向き合い、”ひとりの時間”を最大限に豊かにするという明確なコンセプトを、見事に具現化したキャンピングカーである。
日常と非日常を軽やかに行き来できるコンパクトな車体に、豪華で広大なパーソナルスペースと自立した生活を可能にする強力な設備を詰め込んでいる。それは移動手段と居住空間の単なる融合ではなく、オーナーの人生に「自由」と「可能性」という新たな選択肢をもたらす、優れた道具なのだ。
「ひとり」でいることの豊かさを知るすべての人々にとって、「コンパクト バカンチェス-N ひとり旅」は、これ以上ない最高の相棒となり得る存在になるはずだ。
●リンエイ「コンパクト バカンチェス-N ひとり旅」
・2WD、4WDいずれも選択可能。
・搭載エンジン:1.6リッター直列4気筒
シニア層にとっては心強い格納式ステップや、車内を明るく照らす照明も用意。「コンパクト バカンチェス-N」は車内レイアウトによって、「ひとり旅」「ふたり旅」「MOMO」の3タイプをラインナップしている。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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