
東京ビッグサイトで開催された「東京キャンピングカーショー2026」では多くの新モデルが展示されていたが、依然として続くハイエースの供給不足や納期待ちの問題を受け、絶大な注目を集めていたのがフィアット・デュカトだ。なかでもトイファクトリーが放つ「ブルージュ」は、まさに走る高級ホテル。エアコンやトイレなどの充実装備はもちろん、目に見えないボディ構造まで極限まで磨き上げた、これまでにない最高峰バンコンの凄さに迫ってみたぞ。
●文/取材:月刊自家用車編集部(竹野由志雄)
老舗キャンパービルダーが届ける最高級クラスのバンコン
フィアットの商用車ブランド「フィアット プロフェッショナル」が展開する大型バン「デュカト」。近年、国内のキャンピングカーシーンではバンコン(バンコンバージョン)のベース車として大きな注目を集めている一台だ。
今年7月に東京ビッグサイトで開催された「東京キャンピングカーショー2026」でも、数多くのデュカトベース車が出展。なかでも今回紹介するトイファクトリーの「Bruge(ブルージュ)」は、群を抜く豪華さだけでなく、見えない部分への徹底的なこだわりで来場者の視線を釘付けにしていた。
「Bruge(ブルージュ)」という車名は、ベルギーの美しき水の都・ブルージュに由来する。静かで優雅な街の空気感のように、上質で心満たされる旅をファミリーで楽しんでほしいという想いが込められている。
バンコンの世界ではトヨタ・ハイエースが根強いシェアを持つが、近年の供給不足もありデュカトへの注目度が急上昇していることはご存知のとおり。トイファクトリーが展開する4つのデュカトモデルの中でも、この「Bruge」はロングボディ「L3H2」をベースにしたフラッグシップ的な一台になる。
FIAT PROFESSIONALの正規ディーラーでもあるトイファクトリーが手掛けた、デュカトベースの本格バンコン「Bruge(ブルージュ)」。明るいナチュラルウッドで仕立てられた上質なキャビンフロントには、ゆったり寛げるリビングスペースが配置される。
そのボディサイズは全長5995mm×全幅2100mm×全高2525mm。ゆとりある室内にはリビング、キッチン、リヤ2段ベッドに加え、先進のウォーターレストイレまで完備。まさに「モーターホーム」と呼ぶにふさわしい贅沢な空間に仕上がっている。
乗車定員は5名、就寝定員は大人4名。セカンドシートを倒せば子供用ベッドにもなるため、ファミリーでの長期旅も快適にこなすことが可能なほどだ。
車両本体価格は1562万円、今回取材した展示車両の販売価格は1977万4000円とのこと。
価格帯だけを見れば、まさに一生物のラグジュアリーな1台だが、その理由を知れば納得の完成度だ。
まず、キャビン中央に構える本格的なキッチンタワーは、ハイルーフ仕様ならではの豊かな室内の高さを活かし、大人が立ったままでも腰を痛めずストレスフリーで調理ができる設計。ガラストップ付きシンクや電子レンジに加え、車内側からもベッド側からも開閉できる便利な70L両開き冷凍冷蔵庫を標準装備しており、旅先での料理や買い出しの楽しみをグッと広げてくれる。
欧州マーケットで主流の軽量家具を採用し、豊富な収納力を確保。フロントにはインテリアに馴染む形で家庭用エアコンがすっきりと収まる。
室内高1800mmの空間に配置された広々としたリヤ2段ベッド。大人でもゆとりを持って横になれるサイズ感を誇る。
さらに家庭用エアコンの設置スペースは室内デザインに自然と溶け込むよう覆われ、車内全体へ効率よく冷気を巡らせる設計となっている。これらに加え、乗員が快適に過ごすことができるボディ側の工夫も施されており、トイファクトリーの代名詞でもある「最強断熱」設計を注入。ボディ内側への断熱セラミック塗装や天井&壁面への新素材断熱材などを導入することで、季節を問わず年中快適な車内温度をキープできるという。
標準装備のウォーターレストイレ「crap/Clesana(クレサナ)」は、水を使わず圧着フィルムで排泄物を1回ごとに密閉処理するため、臭い漏れの心配がなく後処理も極めてスマート。旅先でのインフラを問わず、いつでも快適で衛生的なプライベート空間を維持できるのは大きな強みだ。
ホテル顔負けの設備が揃っていることも大きな武器。旅先で自分の家と同じ感覚で過ごせることも、この豪華キャンパーが注目を集める理由だ。
全幅2100mmの広さを強く実感できるベットルームには、大人4名が気兼ねなく寝れるスペースを確保。
水を使わず圧着フィルムで密閉する最新のウォーターレストイレ「crap/Clesana(クレサナ)」を標準装備。臭い漏れの心配がなく衛生面も万全だ。
走行性能においても、最高出力180PS/最大トルク450Nmを発揮する2.2L MULTIJET3 ディーゼルターボエンジンには9速ATが組みあわされており、大柄なボディを感じさせないパワフルかつしなやかな走りを実現。欧州の先進安全支援システム(ADAS)も標準装備されており、長距離ドライブの疲労軽減にも一役買っている。
フィアットプロフェッショナルの正規ディーラーだからこそ、本国と同等レベルのメンテナンスサポートが可能ということも魅力のひとつ。点検・整備から車検まで心配することなく任せられるのは、購入するユーザーからすると大きな安心材料だろう。
ただ豪華な設備を詰め込むだけでなく、日本の気候や実際の使い勝手まで計算し尽くされたこの1台は、まさにこれからの国産キャンパーの新たな指標となりそうだ。
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