「初代への愛がいっぱい」キビキビ走る、懐かしい楽しさがあり!【新型グランデ・パンダ試乗レポ】│月刊自家用車WEB - 厳選クルマ情報

「初代への愛がいっぱい」キビキビ走る、懐かしい楽しさがあり!【新型グランデ・パンダ試乗レポ】

「初代への愛がいっぱい」キビキビ走る、懐かしい楽しさがあり!【新型グランデ・パンダ試乗レポ】
角形ヘッドライトや左右非対称のマスクなど、初代パンダへのオマージュが詰まった新型グランデ・パンダ。1.2Lターボと48Vマイルドハイブリッドの組み合わせは、ステアリングのレスポンスも良く、アクセルを踏み込めば市街地でも軽快で気持ちの良い走りを披露してくれる。

フィアットから新型「グランデ・パンダ」が発表され、11月7日より発売される。グランデ・パンダは、全長4010×全幅1765×全高1630㎜のBセグメント・コンパクトSUVで、そのルーツは1980年に誕生した初代「パンダ」にある。初代はジウジアーロがデザインしたことも有名で、コンパクトなハッチバックで、平面ガラスを用いた簡素な構成ながら極めて実用的であった。手頃な価格と高い機能性、スタイリッシュな佇まいにより、80〜90年代の欧州や日本で絶大な人気を博した。

●文:鈴木ケンイチ ●写真:原アキラ(走り)/鈴木ケンイチ

「パンダ」の名前を受け継ぐ4世代目モデルは、初代モデルへのリスペクトに満ち溢れている

初代「パンダ」の名を受け継ぐ4代目となる本モデルは、ステランティス・グループの一員として、48Vマイルドハイブリッド採用の1.2L直列3気筒ガソリンターボエンジンを搭載する。

価格は標準の「ICON」が369万〜374.5万円、上位の「La Prima」が409万〜414.5万円、シートヒーター等を備えた「ウインターパッケージ」が414.5万〜420万円となっている。

新型はコンパクトSUVへと進化したが、デザインには初代への深いリスペクトが宿る。サイドから見たフロントガラスやCピラーの角度、角形ヘッドライト、左右非対称のフロントマスクなどは初代を力強く意識したものだ。なかでもフロントグリルのピクセルデザインは、初代が躍動した1980年代のカルチャーを想起させる。

インテリアも同様にオマージュと愛に満ちたもので、助手席前の大きなトレー付きダッシュボードや、スクエアのエンボスパターンを配したシートやドアトリムも、初代へのリビュートだ。

また、メーターパネル周りやステアリングにはオーバル形状が取り入れられている。これは約100年の歴史を持つフィアットの象徴的拠点「リンゴット」の屋上テストコースがモチーフ。グリルのピクセルも、無数の窓を持つリンゴットの外観に通じている。

さらに細部を観察すると遊び心が満載であることも気付かされる。センターディスプレイの端にはミニチュアのグラフィックがあしらわれ、Cピラーには見る角度で「FIAT」ロゴと4本ラインが切り替わるレンチキュラー加工を採用。このデザイン性も魅力と言える。

全長4010mm×全幅1765mmの扱いやすいBセグメントサイズ。初代モデルへの深いリスペクトをベースに現代的な解釈を加えたデザインが採用されている。

助手席前の大きなトレーや、リンゴットの屋上コースを思わせるオーバル形状のパネル周りなど、歴史へのリスペクトが詰まったインパネ。

大ぶりなスクエアのエンボスパターンが印象的なシート。ブルーとホワイトのツートーンカラーがポップで爽やかな雰囲気を演出し、細部までデザインへのこだわりと遊び心が感じられる空間を楽しませてくれる。

「フィアットらしさ」と「運転の楽しさ」に溢れた走り

実際に走らせてみると、まさに「フィアットらしさ」と「走る歓び」に満ちていた。まず実感するのはステアリングの軽やかさとレスポンスの良さだ。ロールやピッチングを抑え、軽快にコーナーを駆け抜けてくれる。モーターによる滑らかな発進から、DCT特有の切れ味ある加速への繋がりが心地よく、ダイレクトな操作感も味わえる。

さらに小排気量エンジンとモーターの鼓動がダイレクトに届くので、マイルドハイブリッドでありながら純粋な内燃機関車を操るような楽しさもある。

システム最高出力は81kW(110PS)と決してパワフルではなく、パドルシフトやドライブモード選択も備わらない。速さを引き出すには大胆にアクセルを踏み込む必要があるが、ペダルを深めに踏み込めばドライバーの意図通りにキビキビと応えてくれる。

このスペック上の速さではなく、ドライバーの積極的な操作で活発に走らせる仕立てこそ、歴代パンダやフィアット車に共通する伝統の味わいで、このあたりもしっかりと再現されているのはお見事だ。

1.2L 直列3気筒ガソリンターボに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせたパワーユニット。最高出力110PSを発揮する。

優れたブランディングと今風の高いクオリティが融合

試乗を通じて最も感銘を受けたのは、昔のイメージを覆す出来栄えの良さだ。

1980〜90年代のフィアットは質感や信頼性に課題があり、特に樹脂パーツの不具合も多かった。しかし現代のモデルはステランティス傘下で製品クオリティが大幅に向上し、品質面の不安は完全に払拭された。輸入車ビギナーにも安心して薦められる仕上がりだ。

扱いやすいボディサイズに、愛嬌あふれるデザイン、そして意のままに操る走りの楽しさを持つ。日本車やドイツのプレミアムブランドとは一線を画す、フィアットならではの魅力にあふれた1台と言えるだろう。

歴史的拠点「リンゴット」の屋上テストコースをモチーフにしたオーバル枠が目を惹くディスプレイ周り。ディスプレイ左端には小さな模型のグランデ・パンダがあしらわれるなど、細部までフィアットならではの遊び心が散りばめられている。

コンパクトなボディサイズながら奥行きと高さをしっかりと確保されたラゲッジルーム。

フィアット「グランデ・パンダ・ハイブリッド La Prima」(ジェラートホワイト)

  • 寸法:全長4010×全幅1765×全高1630㎜
  • ホイールベース:2540㎜
  • 車両重量:1270㎏
  • 最小回転半径:5.5m
  • エンジン:1199㏄、直列3気筒DOHCターボ
  • エンジン最高出力:74kW(101PS)/5500rpm
  • エンジン最大トルク:205Nm/1750rpm 
  • モーター最高出力:15kW(20PS)/4264rpm
  • モーター最大トルク:51Nm/750~2499rpm
  • システム最高出力:81kW(110PS)
  • 燃費性能:20.8㎞/l(WLTC409万円モード)
  • トランスミッション:6速DCT
  • タイヤサイズ:205/55R17
  • 価格:409万円

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