
キャンピングカーの購入を検討するファミリー層にとって、「普段使いができるか」「チャイルドシートは置けるか」「荷物は十分に積めるか」といった悩みは尽きないはずだ。せっかくのキャンピングカーも、日常の買い物や子供の送迎で使いにくければ宝の持ち腐れになってしまう。そんなリアルな課題を見事にクリアし、休日のアウトドアから日常の移動まで完璧にこなす驚きのモデルが存在する。使い勝手を極限まで追求した、魔法のようなシートレイアウトを持つ一台の全貌に迫ろう。
●文:月刊自家用車編集部
チャイルドシートを付けたままくつろげる極上空間
今回紹介するのは、長野県に拠点を置くキャンピングカービルダー「かーいんてりあ高橋」が手掛けた「リラックスワゴン TYPE10」だ。車内に足を踏み入れると、右側にシートが4列配置された独特のレイアウトが目を引く。この構造の最大のメリットは、チャイルドシートの設置に完全対応している点である。
しかも驚くべきことに、チャイルドシートを装着した状態のままで、中央にテーブルを配置したり、フルフラットベッドへと展開したりすることが可能なのだ。いちいちチャイルドシートを取り外す手間がかからないという点は、小さな子供を持つファミリーにとって涙が出るほど嬉しい機能性と言えるだろう。
1700×1700mmの広大なベッドと充実の快適装備
居住空間の快適性にも一切の妥協はない。3列目と4列目のシートは対面式のボックスレイアウトになっており、中央に脱着可能なテーブルを設置すれば、家族団らんの広々としたダイネットが完成する。シートをすべて倒せば、1700×1700mmという広大なフルフラットのベッドスペースが出現し、家族全員で足を伸ばして熟睡することが可能だ。
また、2列目シートのサイドにはドリンクホルダーや収納スペースが設けられ、コンセントや電源も機能的に埋め込まれている。1列目シートの背面には、フルフラット展開時に取り外したヘッドレストをスマートに挿しておけるホルダーまで備わっており、細部まで使い勝手が計算し尽くされている。
自転車も積める跳ね上げシートと便利なウォークスルー構造
アウトドアや長旅で大活躍するのが、4列目シートに採用された跳ね上げ機構だ。このシートを跳ね上げることで、自転車やミニバイク、大型のキャンプギアなどを余裕で積み込める巨大なラゲッジスペースが生まれる。遊びの道具を我慢することなく、すべて詰め込んで出発できるのは非常に頼もしい。
さらに、シートの片側だけを跳ね上げれば、車内の左側にウォークスルーの通路が完成する。子供たちにとっては、サイドドアからバックドアまで一直線に通り抜けられるこの通路が、まるで秘密基地のようなワクワクする空間となるのだ。雨の日でも車外に出ることなく、車内の移動がスムーズに行えるという実用的なメリットも見逃せない。
10人乗りのハイエースワゴンがもたらす圧倒的な実用性
これほど多彩なアレンジを可能にしているのは、ベース車両としてトヨタのハイエース ワゴンGLを採用しているからだ。あえてキャンピング装備用の大型キャビネットなどを置かず、シートアレンジを優先した引き算の設計により、3ナンバー登録でありながら乗車定員10名という驚異的な実用性を確保している。
インテリアのカラーも、ゼブラブラックやチックイエロー、バシーグリーンなどポップで洗練された4色から選ぶことができ、商用バンの面影を感じさせない。室内はフル断熱加工が施され、サブバッテリーや走行充電システムも最初から標準装備されているため、長旅での車中泊も安心だ。
これだけの機能と広大な空間を備えながら、価格は2WDモデルで税込5,852,000円からという設定になっている。日常のファミリーカーとしても大勢での送迎をこなし、週末には極上のキャンピングカーへと変貌するこのモデルは、まさに子育て世代にとっての最適解と言える一台だ。
写真ギャラリー
トヨタ・ハイエース。
チャイルドシートが問題なく設置できるのはうれしい。
3列目、4列目はボックスシート型にレイアウトされていた。可動式テーブルであるため大型の荷物を積み込む際は簡単に外すことができる。
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