
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
高速道路を走行中、突然目の前に現れる電光掲示板の”この先渋滞⚪︎km”。
この情報はドライバーにとって非常に価値があり、旅の計画や安全運転に役立てられます。
しかしこの情報はどのようにして取得され、どれほどの信頼性があるのでしょうか。
今更聞けない?渋滞の定義とは
“渋滞”は、一般的に高速道路では”時速40km以下で低速走行、あるいは停止発進を繰り返す車列が1km以上かつ15分以上継続した状態”と定義されています。
これはNEXCO中日本/東日本/西日本によって定義されているもの。
場所によって差があるものの、渋滞の定義はきちんと定められている。
しかし、地域/道路の状況によっては、この基準が異なる場合もあります。
たとえば都市部の高速道路(アクアライン/京葉道路など)では、時速25km以下/時速20km以下といった、より厳しい基準が設けられているところも存在します。
つまり、道路ごとに設定されている基準速度以下で走行するクルマが多いこと/停止発進を繰り返すクルマが多い場合、その場所に渋滞が発生していると表現されるというわけです。
「この先渋滞⚪︎km」、いったいどうやって調べている?
渋滞情報の取得には、高度な技術とシステムが駆使されています。
高速道路には”トラフィックカウンター”という計測器が約2km間隔で埋め込まれており、これがクルマの通過情報をリアルタイムでキャッチします。
この計測器は、通過するクルマの台数/大型車や小型車の判別/速度などの情報を精密に計測します。
また一部の高速道路ではCCTVカメラを使用して渋滞の様子を把握しており、これらの情報は、道路管制センターで集約され分析されます。
そして、その結果が電光掲示板に表示されるというわけです。
また、高速道路を巡回する交通管理隊/料金所の係員も渋滞の確認をおこない、その情報をリアルタイムで提供しています。
たとえば、交通管理隊によって高速道路の出口付近で渋滞が発見された場合には、”〇〇出口〇〇kmほどの渋滞”といった情報が管制センターに共有され、電光掲示板などで通知されます。
これにより、電光掲示板の情報は常に最新のものとなり、ドライバーにとって非常に信頼性の高い情報源となっています。
なお、カーナビは電光掲示板とは少し違う仕組みで渋滞情報を受信しています。
カーナビでは、VICS(VehicleInformationCommunicationSystem)と呼ばれる、道路交通情報通信システムによって配信された情報を受信しています。
受信方法は、光ビーコン/電波ビーコン/FM多重放送の3つがありますが、高速道路上では、電波ビーコンまたはFM多重放送が使用されます。
電波ビーコンとは高速道路に設置されている情報提供機器で、電波ビーコンから配信されたデータをカーナビが受信し、ドライバーに表示しています。
高速道路の渋滞情報は、多くの技術/人たちの力によって発信されている。
そしてFM多重放送とはFMラジオ局の電波を使って情報を配信するもので、FMラジオの受信圏内であればカーナビで渋滞情報の受信が可能です。
高速道路上の電光掲示板は道路管制センターが管理し、カーナビへの渋滞情報はVICSが管理しています。
これらの仕組みによって、ドライバーはいち早く渋滞情報を確認でき、経路の変更/予定の変更などを検討することができます。
現在は道路への埋め込みなどによって情報を取得していますが、今後の渋滞予測技術はAIの発展に伴い、進化していく可能性があります。
たとえば、AIによってこれまでの渋滞関連の情報がすべて分析され、休日ごとの傾向/人口動態などの情報も組み合わせて渋滞が予測されるということもあるかもしれません。
その情報が共有されることやカーナビの進化によって、ドライバーごとに最適なルートを現在よりも高い制度で案内してくれるという可能性もあります。
情報を受け取る側であるドライバーも、渋滞情報/予測情報などを適切に活用していくことが、これからはより求められそうです。
高速道路の渋滞情報は、多くの技術と人々の努力によって提供されています。
この情報により、ドライバーはリアルタイムの渋滞情報を得ることができ、予定の変更/迂回ルートの選択など、より効率的なドライブを実現することができます。
安全かつ快適なドライブのために、これらの情報を上手く活用していきましょう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(クリエイターポスト)
ジムニーからセルシオへ乗り換え!? こんにちは。YouTubeで「おもちのビート」チャンネルを運営しているおもちです。 YouTubeチャンネル“おもちのビート【POV Drive ch】”最新動画↓[…]
ビートオーナーがAZ-1を試乗!ABCトリオって? こんにちは。YouTubeで「おもちのビート」チャンネルを運営しているおもちです。 YouTubeチャンネル“おもちのビート【POV Drive c[…]
日本には、ドライブの楽しさを倍増させる”メロディーロード”という道が全国各地に存在します。 メロディーロードを走ると、運転中に音楽を奏でるという楽しい体験ができます。 ただ走るだけで音楽が聞こえるこの[…]
クルマの世界では、環境への配慮と技術革新が重要なテーマとなっています。 特にクルマの排出ガスの問題は以前から問題視されており、現在は地球温暖化/大気汚染への対策として、エコフレンドリーな電動化技術が注[…]
日本の高速道路は、経済の動脈として不可欠な役割を果たしています。 しかし、多くの高速道路が建設されてから数十年が経過し、老朽化が進んでいます。 こうした中、高速道路の安全性と機能性を維持し、さらに向上[…]
最新の関連記事(カー用品)
愛車にセットすれば、リアルタイムで車両の情報をスマホに表示 ドライブレコーダーやカーナビ、デジタルミラーなど、幅広いカー用品を取り扱うブランド、MAXWINから、AIを活用した車両診断装置がリリースさ[…]
大人気のハリアー用TV-KITが登場だ! データシステムのTV-KITの魅力は走行中でもテレビやDVD、ナビ等の操作ができるようになることで同乗者の退屈を防ぎ、快適なドライブ環境を提供してくれること。[…]
氷上から雪上まで、新たなレベルの信頼感を獲得 スタッドレスタイヤを選ぶ上で、最も重要な性能の一つとなるのが氷上性能だ。 氷上性能を左右するのは、「水膜の除去」「氷面との密着性」「エッジによる引っ掻き効[…]
水道水の不純物を除去! 簡単設置の水シミZERO 普段の洗車で、自宅の水道水を利用するカーオーナーは多いと思われる。しかし、水道水には、地域によって差はあるものの、塩素やミネラル、カルシウムなどの、車[…]
「歩行領域モビリティ」という新しいカテゴリーを提案 ダイハツから、まったく新しい歩行領域のモビリティ「e-SNEAKER(イースニーカー)」が登場した。8月25日より、全国のダイハツの販売店から発売と[…]
人気記事ランキング(全体)
優雅な大人のクルマ旅が楽しめる軽キャンパー バンテックは埼玉県所沢市に本社を構え、キャンピングカーの製造•販売を展開。『快適で安全』を理念にオリジナルモデルを開発している。 キャブコンなど比較的大型の[…]
カーメイトの人気シリーズ「ゼロワイパー」 カーメイトが展開するゼロワイパーは、フロントウィンドウに施工することで、雨天時でもクリアな視界を確保できる撥水コート剤だ。このシリーズには、フィルムタイプもラ[…]
洗練された”ふたりのくるま旅”を演出する創業40周年記念モデル リンエイプロダクトが手掛ける最新のキャンピングカー「ファシールバカンチェス ダイネット40」は、創業40周年を記念する特別なモデルであり[…]
環境性能を重視したキャンピングカー ACSリトルノオクタービアMは、キャンピングカーの中でも特に環境性能を意識したモデルとなっている。標準で搭載される太陽光発電システムは200Wのソーラーパネルを2枚[…]
水道水の不純物を除去! 簡単設置の水シミZERO 普段の洗車で、自宅の水道水を利用するカーオーナーは多いと思われる。しかし、水道水には、地域によって差はあるものの、塩素やミネラル、カルシウムなどの、車[…]
最新の投稿記事(全体)
愛車にセットすれば、リアルタイムで車両の情報をスマホに表示 ドライブレコーダーやカーナビ、デジタルミラーなど、幅広いカー用品を取り扱うブランド、MAXWINから、AIを活用した車両診断装置がリリースさ[…]
軽キャンピングカー「Chippy」の誕生背景 キャンパー厚木といえば、人気の「Puppyシリーズ」で知られるビルダー。その経験を活かして送り出したのが軽キャンパー「Chippy」だ。従来の軽キャンピン[…]
サニーに代わるエントリーカーとして開発 日本が高度経済成長期に入って庶民にも“マイカー”が浸透し始めた1960年代には、日産を代表する大衆車の「サニー」が登場します。 この「サニー」は、ほぼ同時期に発[…]
大人気のハリアー用TV-KITが登場だ! データシステムのTV-KITの魅力は走行中でもテレビやDVD、ナビ等の操作ができるようになることで同乗者の退屈を防ぎ、快適なドライブ環境を提供してくれること。[…]
洗練された”ふたりのくるま旅”を演出する創業40周年記念モデル リンエイプロダクトが手掛ける最新のキャンピングカー「ファシールバカンチェス ダイネット40」は、創業40周年を記念する特別なモデルであり[…]
- 1
- 2