
日本で最も信頼される仕事のクルマ、トヨタ・ハイエース。建設現場から救急車まで、その圧倒的な耐久性と積載性はあらゆるプロの現場を支えてきた。近年はキャンピングカーとしての人気も高く、レジャー分野でも万能選手として君臨している。そんなハイエースをベースに、被災地支援の常識を根底から変える「とんでもないモデル」を見つけてしまった。
●文/写真:月刊自家用車編集部
ジレンマを解消できる救世主
「PRONTE VVDR」と名付けられたこの車両は、スタイリッシュな外観とは裏腹に、過酷な被災地で長期間活動するためのタフな装備を凝縮している。
これまでの被災地支援には、ボランティアが「現地の貴重なリソース(水や宿泊場所)を消費してしまう」という深刻なジレンマがあった。「助けたい」という善意が、結果として現地に負担をかけてしまう。
この問題を解決するため、長年キャンピングカー制作の最前線を走ってきた熟練ビルダー「レクビィ」が制作したのがこのモデル。そのポイントになるのが「完全自己完結型」の設計だ。
老舗のキャンピングビルダー「レクビィ」が、災害発生後に支援に出かけるボランティアのために開発。
キャビン左後方には上下に堅牢なベットを配置。
電子レンジもエアコンも「平然と動かせる」
被災地では「水と電力」の供給が困難になることが予想されるが、それを車内だけで完結させるための独自技術が盛り込まれることが、このモデルの凄いところ。
車内で使用した水をろ過・浄化して循環させ、シャワーや手洗いに再利用できる「ピュア・サイクル・システム」を搭載することで、断水が続く過酷な現場でも、外部から水を引き込むことなく清潔を保つことが可能。石鹸なしでも高い洗浄力を発揮する「ファインバブル」技術を組み合わせることで、環境への負荷も最小限に抑えることができるという。
電力の問題も、電流の負荷を低減させる電装システム「パワー・シュア・システム」と、大容量リチウムイオンバッテリーを組み合わせることで克服。電子レンジやエアコンといった高負荷の家電を平然と、かつ安定して稼働させることができる。
キャビン後部には独立式のシャワールーム(マルチルーム)を設置。
排水を浄水することで再利用できる「ピュア・サイクル・システム」や「ファインバブル」技術を組み合わせることで、水資源を無理なく節約することが可能。
宿泊場所も水も「持ち込む」という、新しいボランティアの形
氷点下10度の極寒地でも音を上げないバッテリー性能や、断熱遮熱吸音性能を誇る「サーモ・サウンド・システム」も装備することで、過酷な環境化でも質の高い睡眠を約束。冬期の災害現場でもしっかりと休憩が取れるなど、ボランティア活動をしっかりとサポートしてくれる。このモデルがあれば、自治体側はスタッフのための宿泊場所や物資を手配する負担から解放されるという。
仕事のクルマとして頂点に君臨するハイエースをベースに、キャンピングカーを知り尽くしたプロの手によって命を吹き込まれたこの「凄いハイエース」は、日本の防災力はもちろん、継続できるボランティア文化にも貢献してくれる一台だ。
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