
2026年4月3日より、テスラの人気SUV「モデルY」に新たなグレードが追加された。それが3列シートを備える「モデルY L」だ。どのような走り味なのかをレポートしよう。
●文/写真:鈴木ケンイチ
ホイールベース150mm延長が生んだ余裕の骨格
テスラの主力モデルとなるのが、毎年年間120万台ほどを売る、ミッドサイズSUVの「モデルY」だ。
その「モデルY」に新グレードが追加された。それが3列シートを備えた6人乗車の「モデルY L(ワイ・エル)」である。最後のLはロングを意味しており、従来の「モデルY」より、ホイールベースを150㎜延長した3040㎜とする。
テスラは、このモデルを「運転しやすく」「実用的」で「安全性の高い」ファミリー向けモデルであるとアピールしている。日本におけるミニバン代替ニーズを狙っていると言っていいだろう。
ちなみに、「モデルY L」は、モノフォルム風のデザインでタイヤホイールが19インチもあるため、写真ではそれほど大きくは見えないかもしれない。
しかし、実際は全長が4980㎜もあり、トヨタの「RAV4」よりも全長が30㎝ほども長いのだ。
そのため室内空間は、寸法相応に広い。3列目シートは、大人が余裕で座れるほど上下と左右の空間があるだけでなく、大きなガラスルーフやテールゲートガラスのおかげもあり、頭上の圧迫感も少ない。また、2列目シートは、電動昇降式のアームレストを備えており、キャプテンシートとしても使える。しかも、前席と2列目シートにはヒーター&ベンチレーション機能を装備し、3列目シートも電動リクライニング機能がある。SUVタイプの3列シート車としては、かなり快適性が高いと言えるだろう。
全長4980㎜の長さは、荷室スペースの広さにも貢献している。3列目シートを使っていてもスーツケースを置けるスペースがあるし、フロントにも117リットルのトランクが存在する。シートを倒せば2539リットルもの荷室が生み出される。ミニバンに匹敵する大容量だ。
クーペのような流麗なルーフラインが特徴的な「モデルY L」。そのスタイリングは単なるSUVの枠を超え、セダンを凌駕するCd値0.216という驚異的な空力性能をカタチにしている。
延長されたホイールベースがもたらす伸びやかで力強いフォルムを一層強調。洗練された都市的な存在感と実用性を巧みに両立している。
乗るたびに更新される「走りの質感」
これまで何度か「モデルY」を試乗する機会があったけれど、毎度、感心するのは、乗るたびに走りの質感が高まっていることだ。
今回の「モデルY L」は、落ち着いた振る舞いとフラットな乗り心地を一貫して見せる。全体として、クルマとドライバーの一体感を感じることができたのだ。
延長されたホイールベースの恩恵で、速度を高めたときの安定感も高い。
リヤに採用している電子制御のアダプティブサスペンションがよい働きをしているのだろう、スプリングレートの高さを感じさせつつも、ショックを上手にいなしており、乗り心地も悪くない。
ちなみに、アクセルを深く踏み込めば、0-100㎞/h5.0秒というデュアルモーターのEVならではの強烈な加速も可能だ。硬軟使い分ける走りを実現するのだ。
物理スイッチを極限まで削ぎ落とした、テスラらしいミニマリズムが貫かれたインパネデザイン。中心に配置された大型16インチタッチスクリーンは、空調からエンターテインメント、車両設定までを一手に担う情報ターミナルを兼ねる。
ミッドサイズとは一線を画す、ラージサイズの品格
また、静粛性の高さも大きな魅力だ。「モデルY L」の空気抵抗係数(Cd値)は、通常の「モデルY」どころかセダンの「モデル3」よりも良好な0.216となる。
風を切る音も小さく、走行中でも前席と3列目シートの間の会話も明瞭に行うことができた。
最後に「モデルY L」の嬉しい点は、航続距離だ。一充電当たりの航続距離は788㎞もあって、セダンの「モデル3」の最高766km、「モデルY」の最高682㎞を上まわる。兄弟モデルの中では、最も遠くまで走ることができるのだ。
良いことばかりの「モデルY L」ではあるけれど、その分、価格は749万円と、「モデル3」(531.3万円~)や「モデルY」(558.7万円~)などの兄弟モデルよりも高い。
テスラとしては、「モデルY L」は、ラージサイズということで、ミッドサイズの他2モデルよりも格上であると説明する。
とはいえ、ラージサイズの3列シートの4WDで749万円という価格は、今となっては、それほど割高感はないだろう。
しかも、「モデルY L」は、国の補助金が127万円もある。実質622万円と考えれば、割安感さえあるのではないだろうか。街で見かけるテスラ車がますます増えそうな気がしてならない試乗となった。
テスラ モデルY L 主要諸元
寸法:全長4980×全幅1920×全高1670㎜
ホイールベース:3040㎜
駆動方式:デュアルモーターAWD
加速性能:0-100㎞/h加速5.0秒
一充電あたりの航続可能距離:788㎞
乗車定員:6名
トランク容量:2539リットル(フロントトランク117リットル)
価格:749万円
開放的な空間へと変貌させる、巨大なガラスルーフ。この広大なガラス面で頭上までをカバーしており、多人数乗車時に感じやすい圧迫感を劇的に軽減してくれる。
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