
三菱自動車を象徴する本格クロスカントリーSUV「パジェロ」が、新世代のフラッグシップモデルとして劇的な進化を遂げて帰ってきた。2026年12月17日の発売に先立ちファンの間で早くも大きな注目を集めている格好だが、すでに10月から開始されている予約注文で約5500台と、年度目標を上回る受注を獲得しているという。そんな新型パジェロがどのように進化したのか。メカニズムと装備の注目ポイントを解説しよう。
●文:月刊自家用車編集部
伝統の走破力にモダンなラグジュアリーをプラスした新フラッグシップとして登場
新型パジェロは、ラダーフレームと3列シートレイアウトというパジェロ本来のDNAを頑なに守りながら、現代の環境性能・先進安全技術・上質な乗り心地を余すことなく注ぎ込んだ1台に仕上がっている。
過酷な自然へ繰り出したい本格オフローダーはもちろん、ゆとりあるサイズと洗練されたインテリアで長距離ドライブを楽しみたいファミリー層にとっても、唯一無二の頼もしい相棒となってくれる。
2026年度グッドデザイン賞を受賞した洗練のエクステリアも魅力。SUPER EXCEEDには専用のハニカムグリルや大径20インチアルミが組み合わされる。撮影車のボディカラーは新開発されたファントムブルーメタリック。
主要諸元(SUPER EXCEED)
●全長×全幅×全高:4920×1925×1910mm ●ホイールベース:2870mm ●車両重量:2460kg ●乗車定員:5名 ●パワーユニット:2439cc直4DOHCディーゼルターボ(150kW/480Nm) ●駆動方式:4WD ●WLTCモード総合燃費:12.1km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:ダブルウィッシュボーン式(F)/5リンク式(R) ●タイヤ:255/55R20
EXCEED、GSR、GLSのフロントグリルは、日本のものづくりの精巧さを表現する横桟タイプとなる。撮影車のボディカラーは新開発されたアーマーカッパーメタリックになる。
SUPER EXCEEDは、255/55R20タイヤとブラック&切削スモークの20インチアルミホイールの組み合わせ。
「悪路快適性」を極めたシャシー&サスペンションは骨格部から一新
新型パジェロの開発における大きなキーワードが「悪路快適性」だ。本格クロカンとしての強靭さと、フラッグシップSUVに求められる上質な乗り味を高次元で両立させるため、足まわりと骨格には徹底的な刷新が図られている。
新設計ラダーフレーム
高張力鋼板の採用拡大や断面拡大、さらにクロスメンバー構造の最適化を実施。重量増を抑え込みつつ、ねじり剛性・曲げ剛性を大幅に向上させた。これにより、荒れた路面でもボディが歪まない高い剛性感と軽快な取り回し性を手に入れている。
ラダーフレームは、高張力鋼板の採用拡大や断面拡大、クロスメンバーの構造変更が施された専用設計となる。
不快な振動を遮断するボディマウント
悪路走行時に乗員へ伝わる不快な揺れや振動を大幅に低減する新ボディマウントを採用し、オンロード・オフロードを問わずフラットで上質な走りを実現。
新開発リヤ5リンク式サスペンション
フロントにはダブルウィッシュボーン式独立懸架、リヤには新開発の「5リンク式リジッドサスペンション」を投入。優れた路面追従性を確保してタイヤの接地性を高めるとともに、高速巡航時でも自然で雑味のないステアリングフィールを提供する。
リヤサスは新開発の5リンク式リジッドサスペンションを採用することで、優れた路面追従性と高い悪路走破性を確保。
本格クロカン屈指の対地障害角
20インチタイヤ装着車において、最低地上高は230mmを確保。アプローチアングル30.4度、ランプブレークオーバーアングル22.6度、デパーチャーアングル25.8度と、過酷な地形をものともしないクラストップレベルのクリアランスを維持している。
新世代2.4Lクリーンディーゼルターボ×8速ATの余裕ある動力性能
心臓部には、最新の環境規制に対応した2.4L 直列4気筒DOHC 16バルブ クリーンディーゼルターボエンジンを搭載。
- 最高出力:150kW(約204PS) / 3,500rpm
- 最大トルク:480Nm / 1,750〜2,500rpm
- 燃費消費率:12.1km/L(WLTCモード)
低回転域から480Nmもの極太トルクを発生させるエンジンに、ワイドレンジ化された「スポーツモード付8速AT」を組み合わせることで、市街地でのストップ&ゴーから高速道路の合流・追い越しまでストレスのない滑らかな加速を実現。もちろん、岩場や砂地、泥濘路といったタフな悪路でも、粘り強い走破トルクを確実に路面へと伝える。
最高出力150kW/3500rpm、最大トルク 480Nm/1750-2500rpmを発揮する 2.4L クリーンディーゼルターボエンジンを採用。
スーパーセレクト4WD-II×S-AWCの最新電子制御を搭載することで、「意のままの操縦性」を獲得
三菱の代名詞ともいえる四輪駆動システムも、現代の最高峰スペックへアップデートされている。
進化した「スーパーセレクト4WD-II(SS4-II)」
路面環境や好みに応じ、「2H(FR)/4H(フルタイム4WD)/4HLc(センターデフロック)/4LLc(ローギヤ+センターデフロック)」の4モードをダイヤルひとつで任意に選択可能。舗装路での燃費重視走行から、脱出困難な極悪路まで自在に対応する。
車両運動統合制御システム「S-AWC」
フロントブレーキの個別制御で旋回性を高めるAYC(アクティブヨーコントロール)に加え、ASTC(スタビリティ&トラクションコントロール)やABSを統合制御。ドライバーが狙ったラインを正確にトレースする回頭性と、滑りやすい路面での高いスタビリティを両立している。
7つのドライブモード
NORMAL / ECO / GRAVEL / SNOW / MUD / SAND / ROCK の全7モードを用意。雪道から砂漠、岩場まで、路面状況に応じた最適なトラクション制御を瞬時に引き出せる。
上質さと機能美が融合したコックピット&先進キャビン
パジェロといえば「道具感」が魅力だったが、新型では「グッドデザイン賞」を受賞した洗練のエクステリアとともに、インテリアもプレミアムSUVに匹敵する劇的な進化を遂げている。
モノリスディスプレイ&現代版3連メーター
2枚の大型液晶を連続配置した「モノリスディスプレイ」を採用。歴代パジェロのアイコンであった傾斜計・高度計・コンパスなどの「3連メーター」を、現代的なデジタルマルチメーターのグラフィックとして再現している。
日本の伝統「木目込み」をイメージしたインテリア
インパネやドアトリムには、日本の伝統工芸「木目込み」に着想を得たステッチ技法とソフトマテリアルを採用。最上位の「SUPER EXCEED」には、手触りの良いキャメル×ブラックのセミアニリン本革シートが奢られる。
全席快適な3列シートパッケージング
全長4920mm×全幅1925mm×全高1910mm(GSR/GLSは1900mm)のゆとりある車体サイズを活かし、全席で大人が快適にくつろげる空間を確保。2列目シートには150mmのロングスライド&タンブル機構を備え、3列目シートの乗降性や足元クリアランスも徹底して最適化されている。
インパネにはオフロード走行での車両の姿勢変化をつかみやすい水平基調のデザインを採用。インストルメントパネルやドアトリムには、日本の伝統工芸「木目込み」に着想を得た縫製技法を施したソフトマテリアルを用いている。
視認性と高級感を追求した2枚の大型ディスプレイで構成するモノリスディスプレイを配置。
ディスプレイには、歴代モデルで継承してきた様々な走行に関する情報を提供する3連メーターグラフィックを表示可能。
先進運転支援&フラッグシップにふさわしい快適装備
充実の安全支援「マイパイロット」&「三菱e-Assist」
高速道路同一車線運転支援機能「マイパイロット(MI-PILOT)」を搭載。衝突被害軽減ブレーキ(交差点アシスト付)に加え、車線逸脱を防ぐ三菱車初採用の「緊急時車線維持支援機能(ELA)」、交差点での出会い頭事故を防ぐ「前進時交差車両検知警報(FCTA)」、三菱車初となる「SRSセンターエアバッグ」を含む8エアバッグを全方位で標準化している。
オフロードでも活躍する3Dマルチアラウンドモニター
車両を真上から見下ろすような3D映像に加え、前輪直下の死角を確認できる「フロントアンダーフロアビュー」を搭載し、岩場でのトレースや狭い路地での取り回しを強力にアシスト。
極上の音響と静粛性
フロントガラスだけでなく前後ドアガラスにも遮音ガラスを採用。最上位「SUPER EXCEED」には、ヤマハと共同開発した12スピーカー・デュアルアンプ仕様の「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」を搭載し、車速に応じたノイズ補正機能によって移動空間を最高峰のリスニングルームへと変貌させる。
グレード展開
新型パジェロは、ラグジュアリー志向の「SUPER EXCEED」「EXCEED」と、アクティブなクロカン色を際立たせた「GSR」「GLS」の4グレード展開となる。
| グレード | パワートレーン | 駆動方式 | 価格 |
| GLS | 2.4L クリーンディーゼルターボ (8速スポーツモードA/T) | スーパーセレクト4WD-II | 619万3000円 |
| GSR | 676万5000円 | ||
| EXCEED | 693万円 | ||
| SUPER EXCEED | 795万800円 |
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