
SUVブームがすっかり定着した今、街には数多くのクロスオーバーが溢れ返っている。だが、見た目や使い勝手だけでなく、「やはり走りの質や操縦の歓びにも妥協したくない」と願うドライバーは少なくない。そうしたこだわり派に向けて、この秋のSUV市場でひときわ強い存在感を放っているのがスバルのミドルSUV「フォレスター」だ。
●文:月刊自家用車編集部
弱点だった燃費を克服!スバルのハイブリッド「S:HEV」に熱視線
2025年にデビューした現行フォレスター。いま注目を集める最大の理由は、本格ストロングハイブリッド「S:HEV」モデルの充実ぶりが際立っているからだ。
スバルが独自開発したハイブリッドS:HEVは、スバル伝統の水平対向ボクサーエンジンとシンメトリカルAWDの骨格をベースに、駆動用と発電用の2モーターを組み込んだシリーズ・パラレル方式(スプリット式)のパワートレーン。
日常の市街地や低中速域では、発電用モーターで効率よく電気を作りつつ大トルクの駆動用モーターで滑らかに走る「シリーズ走行(モーター駆動主体)」を行い、高速巡航や強い加速が必要な場面ではクラッチを繋いでエンジンとモーターの両方で力強く駆動する「パラレル走行」へと状況に応じて最適に切り替えられることで、動力性能と燃費性能をバランス良く両立することを強みとしている。
この最新ハイブリッドを導入したことで、長年スバル車の課題とされてきた実用燃費を大幅に引き上げることを可能としており、さらにモーターならではの瞬発力と低重心なボクサーエンジンがもたらす力強い走りを高次元で両立させることで、スバルらしい走りの魅力も損なっていない。
それなりに高価格帯となるミドルSUVだけに外れは選びたくないというユーザーはもちろん、確かな走りと買い得感を求めるドライバーにとってチェックすべき1台になっている。
世界基準の堂々たるSUVフォルムへと進化した現行フォレスター。低重心なボクサーエンジンとシンメトリカルAWDがもたらす走りの安定感は高く評価されている。
オン/オフを問わない走りの完成度も高い評価
そんな現行フォレスターで、やはり注目したいのは走りの質の高さだろう。
ミドルSUVはライバルも含め、いずれも走り自慢が揃っているが、その中でもフォレスターはオンロードとオフ(ラフ)ロードのバランス感に優れている。
オンロードでは、水平対向エンジンの強みでもある重心の低さや、四輪に駆動力を適切に伝えるAWDシステムの恩恵もあって、背が高めのクルマ特有のグラッとする不快なロール(車体の傾き)が極めて少なく、ステアリングを切った分だけスッと素直にノーズがインを向く。意のままに曲がり、狙ったラインをピタリとトレースできる運転感覚はこのクラスでは頭ひとつ抜けている印象だ。
オフロードも険しい岩場のようなロックセクションこそ厳しいが、普通のモデルならば躊躇するレベルの泥道や雪路などはむしろ大好物の部類で、ご自慢のシンメトリカルAWDがもたらす走破性は惚れ惚れするほどだ。
悪天候でも絶対にブレない安心感を堪能できる性能を、手の届きやすい価格帯で提供できるクルマはそう多くない。
フォレスターは代を重ねるごとにボディは世界基準の堂々たるSUVスタイルへと進化していったが、視界の良さや抜群の積載性といった実用本位の性能をしっかり煮詰めていることも高い評価を集めているところだ。
長年のスバル車のウィークポイントとされてきた実用燃費を劇的に改善したストロングハイブリッド「S:HEV」ユニット。モーター特有のスムーズな出足と分厚いトルクフィールを手に入れたことで、日常のストップ&ゴーでもストレスフリーな走りを味わえる。
普通の乗用車や都会派SUVなら躊躇するような荒れた路面でも、ドライバーに緊張を強いらない安心感が光る。特に雪道での安心感の高さは、寒冷地に居住するユーザーからも高い評価を得ている。
死角を最小限に抑えたスバル伝統の良好な視界設計と、中央の大型11.6インチセンターインフォメーションディスプレイが使いやすいコクピット。
9月は前月比4.3倍の急伸!強力ライバルへの追撃体制が整いつつある
こうした走りと実用性の進化における販売への好影響は明らかで、直近の販売データ(2026年9月度)を見ても、フォレスターの月間登録台数は4360台を記録。デビュー時から続いていたS:HEVモデルの納期遅れに解消しつつある状況と、さらに最新改良後のモデルということもあって前月比で428.7%(約4.3倍)の伸びを見せている。
2026年1月〜9月の累計台数は2万1267台とミドルクラスの絶対王者であるRAV4(累計4万6030台)やハリアー(累計3万4450台)には及ばないものの、ミドルSUV市場において極めて堅調な数字を残している。単月ベースで見ればハリアー(9月度2890台)を大きく上回る勢いを見せており、最新のS:HEVモデルの登場を待ち望んでいたユーザーがいかに多かったかを証明する結果となっている。
ベストバイは最上級「Premium S:HEV EX」
そんなフォレスターS:HEVの中で、走りの質感と満足感を重視するドライバーに最もおすすめしたいのは、最上級グレードの「Premium S:HEV EX」(464万2000円)だ。
アウトドアキャラが強めの「X-BREAK S:HEV EX」(452万1000円)との価格差は約12万円にとどまるが、X-BREAKが18インチ(225/55R18)を履くのに対して、Premiumは専用の19インチ(235/50R19)の大径ホイール&ワイドタイヤを装着。
また、グレードで唯一本革シート仕様がオプションで選べることも、上級ニーズが多いミドルSUV狙いならば大きなメリットになる。ミドルSUVらしい重厚で落ち着いた乗り味を最大限に味わい尽くすというならばベストマッチだ。
広角単眼カメラを加えた最新アイサイトに加え、EXグレードには高速道路での渋滞時ハンズオフが可能な「アイサイトX」を標準装備。高い衝突安全性能と高度な運転支援機能が、週末の遠出やロングツアラーとしての実力を大幅に引き上げている。
ベストバイに推したい最上級「Premium S:HEV EX」。X-BREAKとの価格差は約12万円だが、オンロード主体の使い方なら間違いなくこちらが本命だ。
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