
2026年も新型の当たり年になりそう。なかでも売れ線のコンパクトSUVのマーケットに大きな影響を与えそうなのが、日産の新型キックスだ。
●文:月刊自家用車編集部
国内導入が遅れている状況だが、待たされるだけの魅力あり
新型キックスは、従来のコンパクトカーの延長線上にあるSUVという枠組みを大きく超え、クラスレスな存在感を持つ一台へと進化を遂げる。海外では2024年からデリバリーが開始されているが、国内向けモデルは、日産の国内工場再編の流れもあって、2026年秋以降に導入される見込みだ。
新型で注目されるのは、プラットフォームの刷新による基本性能の大幅な向上だ。
現行型は先代ノート世代のプラットフォームを採用しているが、新型はルノーとの共同開発で生まれた「CMF-Bプラットフォーム」に変更。これにより、走行安定性や静粛性といった基礎能力が大きく向上している。
ノートも先代から現行型にフルモデルチェンジした際にジャンプアップしたが、キックスでも同じレベルのインパクトになるのは確実だ。
エクステリアデザインは、これまでのキックスのイメージを覆す力強くタフな造形へと変貌。フロントマスクは日産の新しいデザイン言語を纏い、精悍さと先進性を両立する。ボディサイズは現行型に対して全長で75mm、全幅で40mm、ホイールベースで40mm拡大され、カローラクロスに匹敵する堂々たる体格が与えられる。
このサイズアップは単なるスタイリングの迫力だけでなく、キャビン空間のゆとりにも直結しており、特に後部座席やラゲッジスペースの使い勝手は先代より大きく改善される。現行型はカローラクロスやヴェゼルに比べると、ユーティリティ機能に物足りなさがあったが、新型ではその差はグッと縮まることになる。
現行型から全長や全幅を拡大し、カローラクロスに次ぐボディサイズへとクラスアップ。先進感と車格感を両立したデザインにより、外観の印象も一新されている 。
電動駆動の魅力をより高めた「第3世代e-POWER」は、大きなアドバンテージになりそう
パワートレーンは、日本仕様の真打ちとして第3世代へと進化した「e-POWER」が搭載。北米仕様には2Lガソリンエンジンが設定されているが、国内向けは電動駆動の質感を極めたe-POWER専用モデルとなる公算が極めて高い。
さらに特筆すべきは、後輪をモーターで駆動する電動4WDシステムの採用だ。ツインモーター式のe-POWER4WDになるか、より上位のe-4ORCEになるかは不明だが、いずれにせよパワーアップした電動駆動との相乗効果も高まり、同クラスのライバル勢に対して、走りでも勝負できるモデルになる可能性が高い。
また、サスチューンの変化も楽しみな部分。現行型のリヤサスはトーションビーム式を採用していたのに対し、北米で発売されている新型の4WDモデルは、リヤにマルチリンク式サスペンションを採用している。
2WDモデルはトーションビーム式のままかもしれないが、前後駆動制御がもたらす走りをセールスポイントにしたい4WDモデルは、より柔軟にアシが動くマルチリンク式を採用することで、よりオンロードでのしなやかな乗り心地と、悪路走破性を両立させる可能性が高い。
ルノーと共同開発したCMF-Bプラットフォームの採用で、走りのレベル向上も大いに期待できる。国内モデルは欧州キャシュカイの1.5Lターボをベースとした新e-POWERの搭載が有力だ。
現行型よりも車格感は1ランクアップ。コンパクトSUVの最上級クラスへ
インテリアも、12.3インチの大型ディスプレイを2枚並べたデジタルコックピットにアップデートされ、ワイヤレスのスマートフォン連携や最新のコネクテッド機能が充実することで、次世代を感じさせる仕上がりになる。シートやトリムなど内装質感も飛躍的に向上するなど、上位クラスからの乗り換え需要にも対応できる高級感も魅力のひとつになるはずだ。
「小さな高級車」を志向する新型キックスは、ミドルSUVのエクストレイルでは大きすぎるというユーザーにとっても興味を惹かれるモデルになるだろう。最新技術や装備が注がれることもあって現行型よりも価格は上がってしまうだろうが、それでも400万円までの予算でSUVを探しているユーザーにとって見逃せない1台になりそうだ。
2枚の連なるワイドディスプレイで構成されるデジタルコクピットも新型キックスの魅力。スペシャリティな雰囲気と機能性を高めたキャビンにより、車格感も1つ上がりそうだ。
メーターと連続した最大12.3インチのデュアルディスプレイは、ワイヤレスのApple CarPlayやAndroid Autoに対応することで、スマートフォンとの連携機能も強化されている。
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