
日本のクロスカントリー4WDとして大きな金字塔を打ち立てた三菱パジェロ。2026年5月29日に発表された三菱自動車の新中長期ビジョンにおいて、7年ぶりに復活させることが正式に表明された。
●文:月刊自家用車編集部
トライトンのシャシーをベースに専用サス&キャビンの採用で、クラス上のクロカンSUVに
パジェロは、かつてダカールラリーで通算12勝という金字塔を打ち立て、四輪駆動車の走破性と乗用車の快適性を融合させてRVブームを牽引した名車として知られているが、乗用車をベースとしたクロスオーバーSUVの台頭もあって、販売面で苦戦し、2019年に熱烈な愛好家から惜しまれつつも、生産終了となった経緯を持つ。
2026年秋に復活となる新型「パジェロ」は、 ピックアップトラック「トライトン」のシャシーをベースに、前後サスペンションを専用開発するなどで、歴代モデルに受け継がれてきた卓越した悪路走破性を持ちつつも、オンロードでも快適な走りが楽しめるSUVに生まれ変わる。
新型パジェロは、2023年に発売された現行トライトンのシャシーをベースに開発される。トライトンのサスは前ダブルウィッシュボーン、後リーフだが、新型パジェロのサスは専用開発されるとのこと。悪路走破性を損なうことなく、オンロードでの快適性を意識したアシになることが予想できる。
国内向けのトライトンには、204PS/47.9kg-mを発揮する2.4リッター直4ディーゼルターボが搭載されている。新型パジェロにこのユニットが搭載されるかは不明だが、どのパワートレーンが採用されるのかも注目したいポイントになる。
「パジェロの正統進化」と呼ぶに相応しい、圧倒的な存在感を持つモデルでありながら、キャビンまわりにも上質な加飾&装備がプラスされることで、三菱のフラッグシップも兼ねることになりそうだ。
驚きのパジェロの弟モデルの開発も公表
また、新長期ビジョンでは、復活する新型「パジェロ」とは別に、2つの「パジェロシリーズ」を計画していることも公表された。
配布された報道資料を見る限り、扱いやすいサイズ感の「コンパクトクラス」と、日本市場に馴染み深い「ミニカークラス」が、シリーズラインナップとして用意される模様。
中長期ビジョンにおいて「パジェロ」を単一車種ではなくシリーズとして展開する方針が示された。パジェロシリーズは、三菱自動車のDNAである「悪路走破性」や「耐久信頼性技術」をベースに、環境や安全、安心&快適を融合させた「尖った商品」として開発されることになる。
過去のパジェロには、小型乗用車の「パジェロジュニア」「パジェロイオ」、軽自動車の「パジェロミニ」がラインナップされ、クロカンニーズを求めるユーザーから支持されていたことを考えれば、その立ち位置に多少の変化があったとしても、似たようなラインナップになる可能性が高い。
現在の三菱自動車のラインナップからして、軽パジェロが復活するのかは微妙にも思うが、いずれにせよ多くのファンから愛された伝統モデルが大々的に復活するのは歓迎だ。
パジェロが挑む現在の国内クロスカントリー4WDカテゴリーでは、トヨタの「ランドクルーザー」シリーズが圧倒的な支持を得ているが、三菱自動車は自らのDNAである四輪制御技術と耐久信頼性を研ぎ澄ませた新世代パジェロシリーズをぶつけることで、オフロードの世界で真っ向から勝負を挑む構えになる。
中長期ビジョンでは、2026年度から2031年度までに計13車種を投入する計画も発表。特に注目は「オフロード商品群」に並ぶ「New Pajero」で、その左右には「Compact SUV」や「Small SUV」も確認できる。
中期ビジョンでは「電動化技術(PHEV/HEV)」にも力を注ぐことが表明された。現時点ではパワートレーンの組み合わせは不明だが、S-AWCなどの三菱独自技術との融合により、パジェロらしい走りがどのような進化を遂げるのかも注目したい。
三菱自動車のDNAである「悪路走破性」「耐久信頼性技術」「多人数乗りパッケージ」を軸に、「アセアン商品群」と「オフロード商品群」の2つに集中する戦略も示された。資料にはトライトンやデリカD:5、アウトランダーを確認することができるが、新型パジェロ発売の暁には、パジェロが主役の位置におさまるのは間違いない。
パジェロの復活は、2019年の国内生産終了以来、ファンから切望されていた悲願。三菱自動車が掲げる「Drive your Ambition」というタグラインの通り、パジェロは未来を左右する極めて重要な存在となるだろう。まずは今秋の世界公開を楽しみにしたい。
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