
これまでのEVの常識や軽自動車規格の枠を超え、ホンダにしか作れない唯一無二の小型EVを目指したという、Super-ONE(スーパー ワン)。昨年の英国グッドウッドフェスティバルでの初披露から、「令和に甦ったブルドッグ」などと話題を集め、「本当に出るのか?」「日本でも売るのか?」とヤキモキしていた人も多いと聞くモデルだが、この春に先行予約がスタート。正式発表に先駆けて、プロトモデルの試乗会が開催された。
●文:まるも亜希子●写真:長谷川徹
EVに足りなかったのは「走りの楽しさ」だった!
ベースとなっているのは、軽自動車ながらワンメイクレースが行われるほどの走りのポテンシャルを持つN-ONE。
トレッドを50mm拡幅した専用シャシーや、専用アルミ鍛造ロアーアームなどで走行性能を強化されており、N-ONEのRSと比較して、接地点横剛性はフロントで約37%アップ、リヤで約57%アップと大幅に引き上げられている。
バッテリーは、床下中央に配置。重量物を低く中心に集めることで、重心高を下げつつ回頭性を高めることで、1クラス上のハンドリング性能を獲得したことも売りのひとつだ。
薄型バッテリーを床下中央に配置し、重量物の集中化と低重心化を図ることで、国内で販売される乗用EVとしてクラス最軽量レベルの車両重量1090kgを達成している。
パワーユニットは、軽規格と同等の最高出力47kWとなっているが、「BOOSTモード」を搭載していることも特徴のひとつ。
スイッチを押すとリミットが解放され、最高出力は70kWまでアップ。仮想7段ステップシフトなどの制御により、まるでギアチェンジをしているようなダイレクト感が楽しめる。
音場設定を追求したアクティブサウンドコントロールにより、自然で迫力あるエンジンサウンドが楽しめるなど、走り好きをくすぐる演出がプラスされることも面白いアプローチといえる。
コーナーでのシャッキリ感は、まさに電動カート
サーキットのクローズドコースで行われたプロトモデルの試乗は、あいにくの雨模様の中で行われたのだが、発進直後から15インチタイヤの接地感がしっかり伝わってきて、上り坂もなめらかに加速してくれる。
この手のスポーティモデルでお楽しみのドライブモードは、NORMAL、ECON、CITY、SPORTの4つを用意。
おのおののモードでけっこうキャラクターが変化する印象が強く、なかでもCITYにすると、タイヤの転がり抵抗まで変わったかのようなコースティングに近い軽やかさに感心させられる。
運転をより刺激的な体験へと進化させる、専用開発のドライブモード「BOOSTモード」を搭載。メーターも計器類が並ぶ3眼のようなデザインに変わり、視覚的にも高揚感を演出する。
カーブでは全幅が広がったことによる安定感があり、上質で丁寧な走りを感じることができる。
一方でタイトなスラロームではまるでクルマ全体が1つの塊となって四輪の存在まで手に伝わってくるような、シャキっとした挙動はもう電動カート感覚。
そしてBOOSTモードを押すと、ズバッと押し出されるような刺激的な加速に笑いが込み上げる。
BOOSTモードのスイッチは、ステアリング右に配置される。
いろんなシーンで何度も試したくなる中毒性のある楽しさが、このクルマには宿っている。
Super-ONEはまさに、今のホンダにしか作れない、走って遊べる電動ホットハッチとなっていたのだ。
シートは内部に硬質パッドを入れることで高いサポート性を実現したという通り、身体をガッチリと受け止めてくれる座り心地だ。
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