
Jeepを街で見かけたとき、ドアノブや車内などに小さなゴム製のアヒルが置かれていることがあります。「Jeepにアヒル?」「かわいいけど、なんで?」と不思議に思ったことはありませんか?
実はこれ、Jeepオーナーの間で楽しまれている「Jeep Duck(ジープダック)」という文化のひとつ。ほかのJeepにアヒルを置いたり、メッセージを添えたりすることで、オーナー同士がつながるきっかけにもなっています。
そんなJeep Duckは、いつ、どのように始まったのでしょうか。そして、実際のJeepオーナーはどんなふうに楽しんでいるのでしょうか。
2020年からJeepに乗り続け、実際にDuckを受け取った経験を持つこのかさんに、初めてDuckをもらったときのエピソードや、印象に残っているDuck、オーナー同士の交流について聞きました。
●文:月刊自家用車編集部
Jeep Duck(ジープダック)とは? 「Jeepにアヒル」を置く文化
Jeepオーナーの間で親しまれている「Jeep Duck(ジープダック)」という文化がある。「Jeep Ducking」や「Duck Duck Jeep」と呼ばれることもあり、ほかのJeepにアヒルを置いたり、「Nice Jeep!」などのメッセージを添えたりする、Jeepオーナー同士のコミュニケーションの形だ。
写真提供:このかさん(@konoka_f)
そもそもJeep Duckはどうやって始まった?
2020年、新型コロナウイルス感染拡大の真っ只中にJeep Duckははじまった。きっかけを作ったのは、アラバマ州在住のカナダ人、アリソン・パーラメントさん。当時、カナダを訪れていた際の出来事だったとされている。
先の見えない不安が広がっていたこの時期、パーラメントさんはカナダの友人を訪ねるためにラバーダックを用意したという。そんな中、駐車場で嫌な出来事に遭遇したことをきっかけに、「誰かを元気づけよう」と、そのうちの1羽を見知らぬジープにそっと置いた。
この出来事がSNSをきっかけに少しずつ広まり、「#DuckDuckJeep」というハッシュタグとともに、見知らぬジープ同士でアヒルを置き合う文化として世界中に広がっていったとされている。
公式ではダッキングのコンセプトを「世界中のジープ® 愛好家を結びつける、共有された体験と言葉にならない絆への敬意を表しています。」と記載している
一台のジープに一羽のアヒルを置くという小さな行動から始まったJeep Duck。この文化はオーナー発のムーブメントにとどまらず、ジープブランド自身も公式に取り上げている。Jeep公式サイトには「Jeep® Ducking Tradition」というページが設けられ、この習慣の由来が紹介されている。
また2022年の北米国際自動車ショーでは、ジープを展開するステランティス社が巨大なラバーダックを会場に展示するなど、ブランド側もこの遊び心を歓迎し、盛り上げてきた。
はじめてのDuckには「Nice Jeep!!」
こうした文化は北米だけにとどまらず、日本のジープオーナーの間でも楽しまれているようだ。今回、インタビューに応じてくれたのはこのかさん(@konoka_f)。現在乗っているのは、Jeep Wrangler Rubicon JLショート(R05年式・カラーはレインC/C)。ジープ歴は2020年11月からで、約6年になる。
1台目は「Renegade Longitude」だった。街で見かけたレネゲードに一目惚れし、特にバッテン(×)に光るテールランプに惹かれて購入したという。乗り始めて1年ほど経った頃、関西のジープオフ会に誘われたことがきっかけで、カスタムされたラングラーの数々を目にし、「いつかラングラーに乗りたい」という夢が芽生えた。「ジープに乗ったならラングラー乗らずと降りれないな」と思い、現在のラングラーにたどり着いたそうだ。
このかさんが初めてJeep Duckをもらったのは2022年10月、大阪で自ら主催したオフ会でのこと。ラングラーに乗るカッコいいご夫婦から、Instagramのアカウントが書かれた可愛いアヒルを置いてもらったという。
当時はまだJeep Duckという文化自体を知らなかったが、「ジープにアヒルを乗せている人が多いな」というイメージは持っていた。もらったことをきっかけに文化を知り、「私もやろう!」と一気にたくさんのDuckを買い集めたそうだ。
もらった瞬間の気持ちを聞くと、「率直に可愛くて、初めて貰ったのでとっても嬉しかった」と振り返る。
写真提供:このかさん(@konoka_f)
忘れられない、謎のハンドメイドDuck
6年間ジープに乗る中でDuckをもらった回数は、意外にも4〜5回ほど。そのなかでも特に印象に残っているのが、2025年のJFM(ジープファンミーティング)で置かれていた紫色のDuckだという。
会場では色とりどりの車体に合わせたDuckがオーナーたちの車に置かれていたが、「誰が置いたのか分からない」謎の人物として少し話題になったそうだ。このかさんの車に置かれていたのは、自分の車体カラーに合わせ、ハンドメイドでデコレーションされ、「Jeep」のハンコまで押された凝ったつくりのDuck。
結局、置いた本人は最後まで分からなかったというが、「それがまたその置いた方のカッコ良さだなぁと思いました」と語る。もらったDuckたちは、今も愛車の見えるところに並べて大切にしているそうだ。
写真提供:このかさん(@konoka_f)
Duckは基本「手渡し」。購入場所はどこ?
これまで手渡しでDuckをプレゼントしたことはあるものの、こっそりと車に「置く」経験はまだないという。手渡ししたのは、初めて会うジープ仲間やオフ会での交換の場面が多かった。
印象的だったのは、渡した相手がJeep Duckという文化自体を知らなかったというエピソード。「この文化がもっと広まったらいいのになぁと思ってました」と、Jeep Duckの広がりへの願いを語ってくれた。
Duckの調達先は主に100円ショップやネット通販だが、京都にある日本初のラバーダック専門店「Ducks(ダックス)」(Instagram: @ducks_jp)は特におすすめだという。「そこでGETできるduckは特別で是非行って欲しい店です!」と太鼓判を押す。
Jeep Duckが生む、車を超えたつながり
Jeep Duckという文化について、このかさんは「私が知った5年前に比べてだいぶ認知されるようになった」と実感しているという。このかさんによると、最近ではディーラーでもDuckが販売されるようになるなど広がりを見せており、ジープオーナー同士のコミュニケーションのきっかけとしても機能しているそうだ。
大人になってから趣味を通じて幅広い年齢層の友人とつながれたことについて、「Jeepに乗って人生が変わったと言っても過言では無い」と語るこのかさん。車の話だけでなく、それ以外の場面でも一緒に出かけたり話したりできる仲間ができたことを、心から嬉しく感じているという。
最後に、これからジープに乗る人やまだJeep Duckを知らない人へのメッセージを聞いた。
「Jeep乗ったことがない人は是非乗って欲しい!年齢性別関係なく乗れるカッコイイ車です!この魅力に気づいたら沼って抜け出せないと思います(笑)duckはナイス!なジープに置くのはもちろん、duckキッカケで仲良くなれる人も沢山いるので、是非買うところからはじめて欲しいです」
見知らぬ誰かのJeepにアヒルを置く。あるいは、オフ会で手渡す。そんな小さな遊び心が、Jeepオーナー同士のつながりを生み出している。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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